デパルマ

茜色に焼かれるのデパルマのレビュー・感想・評価

茜色に焼かれる(2021年製作の映画)
2.5
アクセルとブレーキを踏み間違えた年配男性が夫を殺した時に流れた血、コロナ禍で貧困が加速する通帳の赤字。次作「愛にイナズマ」同様、赤色が象徴的に使われている。コロナ禍、いじめ、生活保護バッシング、至る所にある仕切り、上のルール、レイプ、新興宗教etc。生活のためにセックスワークを選らざるを得なかったり養育費面倒みてやるよと酔った男に言い寄られたり、貧困による性的搾取が何度も繰り返される。公開翌年のナイナイ岡村のコロナ禍が終息したら美人がお嬢やりますよ発言も思い出される。ただ映画やドラマの風俗嬢の描かれ方がいつも「可哀想」なのはどうかとは思うし、薄っぺらい不幸話を羅列しまくっただけのいわゆる貧困ポルノに見える作劇もどうかと思う。「愛にイナズマ」のパンフに石井裕也の「映画でアベノマスクを批判しても仕方ないので(皮肉としては描くけど)」みたいなことが書いてあって良くも悪くもそういう新海誠みたいな安全圏にいるマジョリティ側の無頓着さが少し気になりはじめたところ。だいぶ前に見た「乱反射」は焦点が定まってるから傑作だと思ってる。
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