冷蔵庫とプリンター

悪い奴ほどよく眠るの冷蔵庫とプリンターのレビュー・感想・評価

悪い奴ほどよく眠る(1960年製作の映画)
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 相変わらずかなり仰々しい黒沢映画。役人によほどの恨みがあるのか、当時それほど汚職が社会問題となっていたのかは定かではないが、というかよく知らないのだが、事実隠蔽のために人が次々と死ぬ、あるいは人が死を選ぶほど、日本の機構はさすがに太くないだろう。
 と言いつつも昨今世間を賑わせた公文書改竄問題での官僚の自殺を鑑みると、あながち外れてもいないのだから恐ろしい。「これでいいのか!!」

 機構のトップが一切画面に映らない構成も、ラストの家族と機構を天秤にかける演出も、実に洒落ていてよくできている。
 題材にしろ演出にしろ、日本映画史上類を見ないスケールの大きさ。何故こんな監督が日本に誕生しえたのか、不思議でならない。