悪い奴ほどよく眠るの作品情報・感想・評価

「悪い奴ほどよく眠る」に投稿された感想・評価

CATHAT

CATHATの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

三船×黒澤=痛快冒険活劇、という公式に慣れてから、今作のような重厚な社会派作品を観ると、実際作品が持っている力の倍以上のダメージを受けてしまうように思う。
同じ後味の悪さにしても『天国と地獄』は一応正義が行われていたのに対し、『悪い奴ほど』は、本当に何もかもが報われなくてただただ辛かった。
正義漢の西・気が弱いけれど優しかった和田・どこか憎めない欲張りおじさん山本。主要なキャラクターが結末も近づいた頃、クライマックスにさえ居合わせず殺されてしまったときの無力感。
時代的にあまり残虐な殺しのシーンを入れられなかった、という理由ももしかしたらあったかもしれないが、黒澤は故意に彼らの、特に西の死を画面上で描かなかったように思う。
主人公に相応しい「壮絶な死に様」を観せてしまえば、観客はそれで納得してしまう⋯きっと私もその1人だったはずだ。だから敢えて、板倉の語りだけで、西の死を観客に伝えた。まさか板倉の語りだけで、西を死んだことにはしないだろう、と、板倉の鬼気迫る語り口を聴きながら、佳子と一緒に「そんなの嘘だ」と、信じてなるものか、と期待してしまう私がいた。
「西の正義も何もかも無駄になって、単なる酔っぱらい運転で片付けられてしまった」という板倉の悲痛な叫びを遮る、西の痛快な声が聞きたかった。「俺は死んじゃあいないぜ。敵を騙すにはまず味方からって言うだろ」そんな台詞が聞きたかった。
だが、黒澤はあまりにもあっさりと西を殺し、そして佳子と辰夫の訴えという何よりの武器を以てしても改悛しなかった悪党の、淡々とした事後報告で物語を終わらせてしまった。
物足りない、のではない。納得できないのである。

《おまけ》
佳子がグラスを落としてしまったとき、辰夫を跳ね除けて彼女のもとに駆け寄ったときの三船の演技がとても好きだった。三船はカリスマ性はあるけど、仲代達矢のような演技派に比べると⋯というような意見もあるが、「荒削りな男の中に滲む優しさ」の演技を、ここまで説得力を持って三船以上に演じられる男優は、日本にはいない気がする(海外なら、クラーク・ゲーブルに少し通じるところがあるように思う)。もしかしたら、演技ではなく三船自身がそんな男だったのかも⋯と思わせるほど、良いシーンだった。その後の、佳子を抱きしめながらも何もできない、何もしてはいけないと、自分に言い聞かせているような苦悩の表情も逸品で、このシーンがあったからこそ、西と佳子には幸せになってほしかった。と、つくづく悔しくなってしまうのである。
フォロイーさんにおススメされていた黒澤作品、やっと観た。私はラスト近くの加藤武の演技に騙されていたというか、完全にひねくれて観ていたんだけど、そんな生易しい展開ではなかった。このタイトルには、終わり方しかないだろうというもの。各俳優のやつれメイク怖い。冒頭のウェディングケーキの悪趣味さとか、誘拐もするし、監禁もするし、殺し屋雇うし、ヤバくなるとすぐ殺しにかかる世界。戦後15年辺りを舞台にすると、日本のノワールも、すこぶるカッコいいのだな。トレンチコートが似合う似合う。加藤武が良い味出してた。和田の葬儀に来た守山と白井の後ろ姿の動きと、録音テープの音のタイミングが、上手いこと合ってたりと、細かな演出もゾクゾクするものだった。
doom

doomの感想・評価

4.1
2019年1作目

明けましておめでとうございますの一発目としては渋いかなと思いましたが、いやいや、最高でした。映画は120分までが理想で、それより長いと大体だるい。なぜなら余計に長くなった分は監督のエゴである場合が多いから。というのが私の基本的な考えですが、これは150分、全く長く感じない。何もかも完璧。やっぱり脚本は複数でああだこうだ言いながら書くべきなのか。
別に今更言うまでもないだろうけど、ほんとにもう傑作としか…
最後のあのセリフ、あの動作、からのタイトル…!!!しびれる。
個人的には黒澤映画は、時代劇よりこういう社会派ドラマが好きだな。
maruuuuuuu

maruuuuuuuの感想・評価

3.8
主人公の復讐心と社会の悪との対峙は、とても見所である。

権力者は表舞台に立つことはないという恐怖感を与え、自分が何のために闘ったのかというのを鑑賞者に残酷にも突きつけてくる。
三島由紀夫は黒澤明を「テクニシャンだが、思想はなく、中学生程度」とこき下ろした。いや、彼なりの褒め言葉なのか?
三島が黒澤の「思想」を蔑ろにしたのは、社会の不正義に対する反抗を余りにもストレートに、ひたむきに描きすぎているからなのだろう。黒澤のこの傾向は「天国と地獄」にも明確に表れている。
しかし「映画は小難しいことよりも先ず楽しめ」などと宣った三島の手落ちではないか。この映画は社会性やテーマを抜きにしても楽しい。

記者と刑事が詰めかけ、過去の不祥事を暗示するケーキ入刀が行われる不吉な結婚式に始まり、中盤までの復讐劇、或いは水面下での攻防戦、且つまたラストの衝撃的である種の現実的な、余りに非情な展開。
間の多い映画ながら片時も目が離せない。
掴み所のない西の人物造型も丁寧に描かれており、復讐者としての冷徹な怒りと愛の苦悩に挟まれる様子が滲み出る三船の演技は流石だ。
特に気に入ったのは加藤武演じる板倉の悲痛な叫びと、悪党・岩淵が電話口に何度となくお辞儀をするくだり。どちらも実に日本的なのだ。

アンジェイ・ワイダが指摘した通り「ハムレット」の基本構図を意識しているが、三船演じる主人公の西は本家ハムレットに比べるとまだまだ清潔過ぎて、はっきり言えば甘い。彼が甘かったから、優しすぎたからこそ黒地に白々と、「悪い奴ほど良く眠る」という題字が活きる。
ジーナ

ジーナの感想・評価

4.0
長編サスペンスなのですが、恋愛要素が非常にいい塩梅で混ざってます。
オープン二ングの披露宴シーンはゴッド・ファーザーでもオマージュされてますが、やはり長いw
しかし、ウェディング・ケーキに仕掛けられたメッセージなどは不吉な予感をもたらして面白い。

葬式や監禁のシーンでお気楽な音楽が流れるという対位法も特徴的ですし、主人公の考える復讐手段が非現実的なんだけども、映画としてかなり楽しい!

そして、三船敏郎のクールで素敵なキスシーンは抜群の場面で訪れて、「ドライヴ」のライアン・ゴズリングみたいでした!

ただ、復讐に燃える動機にもうちょっと説得力が欲しかったのと説明口調が多いのが残念。
記:2018/12/10(月)

西さん😂
花束💐を君に贈ろう
(花束を君に💐by宇多田ヒカル)


12月に入り
お仕事がちょこっと忙しくなってきて
数日に分けての鑑賞でした(゚ロ゚ノ)ノ
基本は一気見が好きなので
うまくいかずでしたが

集中力必要な作品だと感じます☺🙌

なので、仕方がない😊
疲れてると集中出来ないし
頭に入って来ないからねー☺😃💡



ぶっ飛んでいる❗
(いろんな意味で)

例えば、
何十年も前の作品なのだが
今も尚、通じる。とか。


あのケーキ🎂とか。


200本目はお知らせ📢来るのかな😆❤
ワクワク😃💕

年内は200本目で締める予定です❗
📑mark❗


さて、3本何にするか❗


実際はここにmarkしてない作品も多いので
たくさん鑑賞はしてるんですけどね、
選んでアップしてまっせ😊✌❤
しょう

しょうの感想・評価

4.8
60年前の映画ななんだけと、今の時代でもそのまま通用する内容。
悪い奴ほどよく眠るというか、眠らせる社会、一般市民って感じ。世論は、いかに情緒的で、刹那的か?
現在の社会的と同じである。
Reo

Reoの感想・評価

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いわゆるサンズイ事件を扱った名作。冒頭こそ視点が多くて戸惑うけど、重要人物が浮き彫りになるほどに引き込まれて、気が付けばどうにもならないやるせなさだけ残して終わってました。
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