悪い奴ほどよく眠るの作品情報・感想・評価

「悪い奴ほどよく眠る」に投稿された感想・評価

前半が中々もったいつけてテンポが悪いと感じるほどのゆったりさ。
しかし、結婚式のシーン。
そこで交わされる不穏な会話の数々。
つまり、これはコッポラが「ゴッドファーザー」で引用したのだと思われる。
中盤以降の怒涛のテンポアップには、この緩やかな助走が物凄くグルーヴ感を出してくる。

とにかくサスペンス演出が冴えているし、幽霊演出や、西村晃の怪演や三船、加藤武のバディ感、志村喬のどこかコメディ感のある妙演など演技的見せ場の応酬で飽きさせない。

何より描いているのが、社会の中の権威、巨悪なわけで、しかもそれは倒せずに消え去った三船。
後味の悪いラストと、ダメ押しのタイトルバック。
作劇や演出が効きまくっているし、どこかの国の現代の政治のありようにも嫌というほど当てはまっていて、映画の力をまざまざと見せつけてくる。
りほ

りほの感想・評価

4.5
久しぶりに映画でこんなにハラハラした、、大きな感動はなかったけどストーリーも演出も面白かった。皆さん演技の迫力がすごい
三船さん(西)は声がいい、惚れてしまう、、他の映画との演じ分け凄すぎる、、いい男だった…よしこさんとのキスシーンにドキドキしちゃった
この頃の加藤さん(板倉)もかっこいい…
西村さん(白井)の失神?した時の顔がリアルすぎて怖かった

1500万のハムエッグはちょっと面白かった
交渉能力ある西と板倉のコンビ好きだわ〜
ラストは…悔しいなぁ〜😂
三船敏郎の現代劇は初めて見た。
悔しくて仕方ない映画だ。
したがって、後の「用心棒」「椿三十郎」のような「痛快さ」には欠けるが、面白かった。

タイトルは、本当に悪い奴は表に自分が浮かび上がるようなことはしない。人の目の届かぬ所で、のうのうと枕を高くして寝ているとの意味であり、冒頭のみならず、ラストシーンでもタイトルが大きく出る。

土地開発公団の副総裁、岩淵の娘・佳子と、岩淵の秘書・西の結婚式が盛大に始まる。公団の課長補佐が汚職関与の疑惑で逮捕されたばかりで雰囲気はものものしい。のみならず運ばれてきた入刀用ケーキに場がざわめく。公団のビルをかたどったケーキの7階に赤いバラの花が刺さっている。それは5年前、公団の課長補佐・古谷が飛び降り自殺した窓だったからだ。

警察に拘引されていた公団の課長補佐・和田は、刑事の尋問に黙秘を通したのち、自殺しようと火山の火口に向かうが、それを阻止したのは西であった。西は和田を車に乗せ、和田自身の葬儀の様子を見せながら、テープレコーダーで隠し取った、和田の上司の守山と白井の会話を聞かせる。守山と白井は和田の自殺に安堵し嘲笑っている。西は彼らに復讐を企んでいることを語り、和田を仲間に引き入れる。

あらすじ
ある日、白井が金庫をあけると、現金の代わりに公団のビルの写真がはいっており、ケーキと同様に7階の窓に×印が付けられていた。白井は公団に戻り、これが古谷の死に恨みを持つ者の報復行為であることを岩淵と守山に説明するが、逆に着服したのだろうと疑われてしまう。そして深夜に憔悴しての帰宅途中、白井は暗がりに和田の姿を見る。驚愕した白井は守山の自宅に駆け込み、和田が生きていると訴えるが、既に白井を信用していない守山は一蹴する。追い詰められた白井が客先にまで和田の件を喋り始めたため、遅まきながら岩淵と守山は白井を懐柔しようとしたが、白井は疑心暗鬼に陥っており、古谷の件も含めて何もかもぶちまけてやると言い出したため、殺し屋に狙われる羽目になる。

その殺し屋から白井を救ったのは西であったが、西は白井を深夜の公団ビルの7階に連れて行き、5年前にここから飛び降りて自殺した古谷が自分の父親だと明かし、白井を殺そうとする。恐怖のため白井は発狂する。

さらに西は仲間の板倉と戦禍の廃墟に守山を拉致する。しかしその頃、西の正体が岩淵に露呈していた。西は、父を自殺に追い込んだ岩淵の懐に飛び込むため、板倉と戸籍の交換をし、その娘、佳子と結婚したのだ。しかし、西は心を完全に鬼にすることはできず、佳子を愛してしまっていた。同情する和田により、廃墟に連れて来られた佳子は、西から父親の犯罪を知らされる。佳子の体には触れていなかった西だが、その日初めて佳子を抱擁する。

しかし佳子が兄の辰夫と廃墟へ再び来て見ると、板倉がひとり嗚咽している。西が車の事故に見せかけて殺されたのだった。岩淵に西の所在を尋ねられた佳子はこの場所を岩淵に教えてしまったのだ。辰夫は、ショックで廃人のようになった佳子を抱きかかえて岩淵の下へ行き、「親子の縁を切る」と告げて家を去る。しかし謎の人物から電話で、「一時外遊でもして、ほとぼりが冷めるのを待て」と指示された岩淵は、安堵し「お休みなさいませ」と返事をする。
中尾

中尾の感想・評価

4.3
役者も映像もストーリー(特にラスト)も圧巻の一言。
怒りが伝わってくる。
マーチ

マーチの感想・評価

4.0
映画を劇場に観に行きたいけど、暑過ぎて外に出ることを躊躇しまくっている今日この頃です_(:3」z)_

皆さん、好きな季節は何ですか?
私はですね…うーん、夏以外!!笑


【省略レビュー】

公団とゼネコンの汚職をテーマにした社会派黒澤作品。

驚くべきは、この作品から60年近く経過した今でも同じ様な事件が幾度となく繰り返されているということ。
当時多発していた汚職事件の数々に触発されて製作したとされているが、当時の社会状況を切り取ることが直接的に60年後の社会をも表現することになろうとは、黒澤監督自身思ってもみなかったことだろうと思う。それはある意味この作品が色褪せていない理由の1つでもあるけれど、未だに日本の企業体制というか権力の乱用みたいなものが罷り通り、トカゲの尻尾切りという名の下に軽薄に扱われる命があることに危機感を抱かず、変化していない日本社会への怖さでもある。

【p.s.】
忙しくてレビューをしっかり書く機会が無いので短めに今年観た作品のレビューを投稿しています。
暇があれば正式なレビューと入れ替えますが、きっとそんな瞬間は訪れないでしょう。
だって、私ですからね。
凡努

凡努の感想・評価

5.0
題材が今の時代にも通用するし、色褪せないなと思った。
難しい内容のようでシンプルでわかりやすいのがいい。
一言で言うならめちゃくちゃ面白くて、めちゃくちゃ胸糞悪い映画だった。
悔しい。
Erina

Erinaの感想・評価

3.7
「悪い奴ほどよく眠る」

こんなにぴったりの題名が他にあるのだろうか。
なかなかに後味が悪い。くそーってなります。そうか…勝てないのか。

150分はやっぱり長いけど、
冒頭の結婚式から、葬式のシーン、幽霊を演出するシーンなどなど印象に残る場面がいっぱいですね。

役者さんたちの顔もとても印象に残りますね。
Ginny

Ginnyの感想・評価

5.0
すごく…面白かったです。

私の初めての黒澤映画でした。
これを選んだ理由は、『生きる』を借りようとレンタルビデオ屋を見たけど置いてなくて、代わりにウェスアンダーソン監督お気に入りのにしようとこちらを選びました。

ちょうどウェスアンダーソン監督が日本を、黒澤映画を意識して作った『犬ヶ島』が最近公開されましたが、『犬ヶ島』影響されて作ってるな~ほかの作品も、というか彼の映画人生、黒澤映画なくして語れないのでは、と思うほどでした。

ウェスアンダーソン監督の作品の好きなところは、画面の構図、左右対称の美しい切り取り方、カメラワークなのですが、それが本作にも多分に見られて驚きました!画面の構図の美しさで感動したのはウェスアンダーソン以来!というか黒澤監督の影響を受けてウェスはやったと思うので、黒澤明というのはすさまじくすごいのだと思い知らされた(遅い

そして本作のすごいなと感じたところは、
バランスが良いところ。
演技に偏りもせず、演出に偏りもせず、ブラックに偏りもせず、ユーモアに偏りもせず、息苦しさに偏りもせず、楽観的に偏りもせず。
すべてが高水準でバランス良く整えられており、約2時間半と一見流そうに思えるのがすこっしも飽きさせないどころか目を外せない、惹きつけ続けるもので、感動しました。

どうしてこんなに面白いのか。
感動させる、裏切らせる、演技を見せる、というものではなく
「映画を見せる」という気概を感じました。
何か一要素に引きずられるのではなく、はじめから終わりまで黒澤映画の世界にどっぷり浸かることができた。
面白い、のは泣けたから~笑えたから~とかどこかの感情のボタンが押されたからではないのです。
どこかを刺激すればいい、そんな狙ったものではない。
黒澤監督はそんな小手先のテクニックを使わなかったのでしょう。
彼が描きたかったもの、見せたかったもの。
唯一無二の映画体験です。黒澤映画でしか味わえない。これは間違いなく。

画面の美しさで言えばウェスアンダーソン監督も黒澤映画のような良さがありますがウェスアンダーソン監督の映画はいい意味でも悪い意味でもPOPなのです。
本作では、ドラマとしても見ごたえがある。重厚さがある。
それでいて、重くて見られない…という壁がない。
この絶妙なバランス、初めてですよ。

映画はこうあるべきだ、映画はこうなんだ!と衝撃です。

場面転換の仕方はスターウォーズも真似たんですかね。
世界中の映画監督がクロサワ映画が好き、影響を受けたというのがほんっとーにわかります。ほんとです。激しくウンウン(肯定の頷き)です。
むしろクロサワ映画見てない映画監督なんてありえないです!くらい。

ボキャブラリーが貧困で申し訳ないですが、
黒澤映画素晴らしいです。恐れ入りました。

どうして黒澤映画を見てこなかったか。
私自身の想像力が欠けていたのだと、今ではわかります。
映画という文化に対しての敬意も欠けていた。

自分が映画を好きになった瞬間から、を追いかけて、それだけを見て楽しんできました。正直に言ってしまえば「古い」ただそれだけで敬遠してきた映画がたくさんあります。
新しい映画は、古い映画を見て感動して育ってきた人々が、現代に合わせてより良い技術を使い、届けようと思った映画だからこそ、今響くのは当然、今好きだと思うのは当然と思ってきました。

でも、本当に良い映画は言葉通り色褪せず、塗り替えられないものなのだと本作を見て思い知りました。

買ったはいいものの、読むことがなかった「映画検定」の参考書の映画の歴史を最近読みました。リュミエール兄弟の話など開発のこと、はじめは記録するだけの映像だったこと、徐々に物語性が加わったこと、大衆が映画を見るようになったこと。ヨーロッパ、アメリカで作風が違って、個性ある映画監督が名を連ね、なぜハリウッドが映画の名所となったか、天候が良いから、とか、知らなかった映画の歴史を見て、今自分が楽しむことができている映画自体、ポッと出で出来上がったわけでなく、遠い昔から繋がれて紡がれて、今日まであるということ。それをしっかりと感じました。

古いものに敬意を示すこと、それは、私自身が両親の存在だけで生きているわけではなく、その前の祖父母、祖先が存在して、たくさんの命のおかげで今生きている、それと通じるものを感じて、映画の歴史に初めて敬意を払い、古い名作映画を見なくてはいけない!と強く思うことができました。

映画を好きだと思っていた、人よりも映画が好きだと思っていた、でもそんな私が映画の歴史を軽視していた。
恥ずべきことです。
例えば、世界遺産は歴史があるからとても古いものも大事にされる。
映画も同じ。
歴史を思えば、敬意を払えば、古いからと映画を馬鹿にできない。

きちんとわかるまで時間がかかってしまいました。えへ。
でも、今からでも真面目に映画に向き合って見ていきます。
犬ヶ島の元ネタになったとのことで鑑賞。見る前は、えっ?2時間半もあるの?と思ったが、社会派ドラマに黒澤的なダイナミックな演出やスケール感が合わさってめちゃくちゃ面白かった。
ワイド画面を使った構図も力強い
役者は顔だなぁと思ったし、三船の迫力がすごい。結婚式から火山のシーンや葬式のシーンなどなど名場面の連続。社会悪に対する強烈な怒りがすごいし、役人が上のために死んでいき、悪い奴ほどよく眠るというのは現代でも日本で続いている病巣。
天国と地獄より面白いかも。
最高におもしろい映画でした。黒澤映画の中でもベスト3に入れたいです。現代社会のゴミ機構に父を殺された三船が復讐しようとする話です。物語はベタかつ登場人物もティピカルですが、こんなにおもしろくなるのは何故でしょうか。加藤武と藤原釜足が好演でした。
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