よしえ

アミューズメント・パークのよしえのレビュー・感想・評価

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)
3.9
いやあこれは酷い(笑)。
元々教育映画としてロメロに依頼されたものだというが、ここに書かれたあらすじが端的に内容を語っている。曰く「遊園地で老人が罵られ、大変な目にあう。」
それかあらずか、ほんの数回上映されたきりでお蔵入り、どころかロメロのフィルモグラフィにも記載されず、監督の死の数週間に発掘されてようやくその存在が知れたという。
本編の前後に挿入されたナレーションからすると、誰しもいつか老いるのだから、準備は怠らずに、といったような教訓を込めたようだが、要はやりすぎ。あまりにも酷い目にあうので、なんというかもう、哀れを誘うばかりで……
ただ、では教育目的では全く見られないかというと、仔細に見ればそれなりにちゃんと描写はあるのだ。「備えあれば憂いなし」「先立つものは金」「老いては子に従え」などの教訓が読み取れないわけでもない、という微妙な匙加減。このあたり流石はロメロ、ちゃんと注文には応えている。
なお、最後の仕打ちが一番精神的にくる。思わずもらい泣きしそうになった。
よしえ

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