鶏

アミューズメント・パークの鶏のレビュー・感想・評価

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)
4.0
遊園地を社会に見立て、老人に慈悲の無い世の中をひたすらに嘆くロメロ監督作の風刺映画。
地位も金も無い老人は「棄民」と化し、もはや憂さ晴らしの的くらいにしか見なされないという残酷な現実を描く。
虐げられて声も無くへたり込む主人公と一切の関心も見せない群衆が印象的だった。
終盤に差し掛かるにつれて疲弊していく主人公の演技が悲壮で、特に「三匹の子豚」のくだりがエグすぎて…
とんでもなく厭世的で虚無感の募る作品だったけど、「こうならないように頑張ろうぜ」っていう前向きなメッセージがあるからまだ救いはあると信じたい。
「あなたもいつかは老いる」の言葉を胸に刻みたい。
自分たち若い世代こそ見ておくべき作品だった。
鶏