愚か凡

アミューズメント・パークの愚か凡のレビュー・感想・評価

アミューズメント・パーク(1973年製作の映画)
3.8
SEが浮いているのが不安感を煽る。白飛びしてかすんだ色調なのでどこか幻想的で辛い場面も多少和らいでみれた。ポスターの老人は大切に。願いの作品だった。

他のユーザーの感想・評価

Haruki

Harukiの感想・評価

3.7
ホラー映画の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督が、当時のアメリカ社会を痛烈に諷刺し、長らく未公開だった問題作。

白いスーツを身に纏った優しそうな老紳士が、アミューズメント施設で無視され、罵られ、暴力を振るわれ、絶望し、慟哭する。

高齢者への差別や虐待に対する教育映画として作られた側面があるため、 かなり内容がわかりやすい。そこが残念な点。

しかし、不条理な展開を見せるストーリーは観る人の心をかき乱す。

衝撃を残す作品になっている。

ロメロによる教育映画という貴重さはある。
約1時間お爺さんがひどいめにあう映画…。
正直映画としてはあまり面白くなく、ただ気分が悪く悲しくなりますが、メッセージ性は強かったです。
ジャケットはカッコよくて好きです👍
オリ

オリの感想・評価

3.2
「最近の若者は、」を声を大にして謳っている。アメリカはこんなにも高齢者に冷たかったのだろうか。差別を受けた高齢者にとっては外の世界はなんの希望もないかのように感じてしまうのだろう。
yuichi

yuichiの感想・評価

4.0
年老いてゆく悲しみが溢れる
ある意味ホラーだなと思いました。。

ラスト辺りの歩く様子はまるでゾンビ
何とも切なくなる作品。。
〈あらすじ〉
遊園地で老人が罵られ、大変な目にあう。

昨年公開された劇場未公開だったロメロの幻の作品。
ロメロのホラーじゃない作品として紹介されてたりするけど、老いの恐怖や残酷さを淡々と描いた真のホラーという印象。
人種や格差による二項対立的な恐怖映画はよくあるけど、若さと老いの怖さにフォーカスした作品はあまり見ないので割と新鮮だった。
老人が希望を胸に、扉を開けて遊園地という外の世界へ足を踏み出す。
しかしそれは夢物語。
実際は老人なんかまともに相手してくれない。それどころか厄介者扱いでひたすら酷い目に合い、老人は再び扉を開けて最初の部屋に戻ってくる。
1970年代から高齢者の社会地位の問題を映画として取り扱っているのが驚き。
映画としてのメッセージ性も高い。
後ろにしれーっと死神がいたり、生きていく上で起きる様々な事象を遊園地という場所を使って表したり、演出面に関しては流石としか言いようがないのだが、最初と最後の男性の説明には少し拗さを感じてしまった。
また、メッセージ性に特化しているため、あらすじを見れば分かるがストーリーは有って無いようなものだ。
特に面白いというようなものでもないので、出来の良い啓発ビデオくらいで観るのが丁度良い。
それにしても、50年近く経った現在においても高齢者への社会福祉問題があまり変わっていないのは考えものだなと。
cov

covの感想・評価

3.5
filmarksのあらすじとジャケが気になって笑。
たしかに遊園地で老人が大変な目に遭うのよ。不条理だし、ある意味ホラー。生きていれば誰もが老いていく未来&今どうする?と問われる映画。
it

itの感想・評価

3.0
リアルすぎて怖い。高齢化社会への啓蒙作品を依頼されて作ったそうだが、さすがロメロ、人間の内なる持つ暴力性をさらけ出してしまった、しかもこともあろうに遊園地という場所で。
笑いたいけど笑えない、ひきつった感情にヒリヒリする。
本作、教育映画とはいえ、ロメロ監督の作家性が十二分に堪能できます。ルーテル教会が本作を封印したのも納得。
アイコンとしての不良バイカー達は、"Dawn Of The Dead"以前に既に登場していたのですね。
HK

HKの感想・評価

2.9
『ゾンビ』のジョージ・A・ロメロが1973年に年齢差別や高齢者虐待防止のための教育映画を教会に依頼されて撮ったという53分の作品。
TVの「世にも奇妙な物語」の中の一話といった趣でしょうか。

高齢の主人公が遊園地で、高齢者というだけで無視され虐げられ、あるいはカモにされて酷い目に会いますが、周りには誰一人としてそれを助ける人はいません。

依頼した教会側が思っていたよりも過激な仕上がりだったのか、公開後しばらくしてお蔵入りになったんだとか。
ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968)より後、『クレイジーズ』(1973)と同時期に撮られていますが、2017年にフィルムが発見されて日本公開は2021年。
悲惨な目に遭いながら遊園地をさまよう老人は、BGMも相まってさながらゾンビのようにも見えます。

ロメロが当時のアメリカ社会を皮肉った作品だといいますが、今の社会もそう変わりはないと思えるのが怖いところ。
ちなみに、やはり若者が高齢者をボコボコにする『時計仕掛けのオレンジ』が公開されたのはこの前の年ですが、ロメロも観ていたでしょう。

しかし、50年前も老人が小さな子供に声をかけただけで変質者扱いされていたんでしょうか。それともこれはロメロの予言だったのか。
理不尽ホラーとでも言うか、ただ、ただ、暗い気持ちになってしまう映画でした。
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愚か凡さんが書いた他の作品のレビュー

バロン(1989年製作の映画)

4.1

絵画のような世界観。世界をあちこち雪崩ていく冒険パートが楽しい。やはり雲の上とか砂の上を進む船は憧れる。ハリボテの舞台セット生で見てみたい。

コンスタンティン(2005年製作の映画)

4.0

近代ダークファンタジー最高。次々展開していくから観ていて飽きない。ウェポンがイカついカッコイイ。空っぽでみれる喫煙厨二作品。

めまい(1958年製作の映画)

4.2

精神性に欠けているので恋愛についての共感はできないが話はすごく自然に入ってきた。幸せなまま終わらないでくれて良かった。彼が克服したいのは本当に高所なんだろうか。

ホーリー・マウンテン(1973年製作の映画)

4.0

退屈なシーンが無かった。へんてこな産業、習慣最高。肉体を捨てる儀式のシーンが良かった。衣装が奇抜なのにダサいと思わせない。動物がたくさん出てくる。

恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

3.9

大雑把な演出で垢抜けないのが苦手で恋愛邦画を観ないがこの作品はあまりそう思わずみれた。ポルカのサウンドが気持ちいい。こんな調った学生時代があったらいいなと思う。印象悪いどまりでは無い人物像が良かった。

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

4.5

じりじりとした空気感がたまらない。ストレートに気持ち悪い場面は無いはずなのになぜか気色悪い雰囲気だ。人の目線が多く登場し不快な目を向けられるがレクターの目付きには読み取れない何かを感じた。