あお

彼女が好きなものはのあおのレビュー・感想・評価

彼女が好きなものは(2021年製作の映画)
3.8
ドラマがよかったので、映画化も楽しみにしていた。

正直、ドラマの方がよかったかな。
金子大地の憂いのある表情が、役の繊細さを十分に表現していたから。
あれには及ばなかった。

それでも、例えばラスト近くの表彰式でのシーンは、こちらの方がよかった。
縁台のこちら側に隠れて、2人が抱き合うシーン。
あれは、ドラマ版より自然で、よりリアルだったと思う。

同性愛者の青年が、自分みたいな人間がなぜ生まれてくるのか?と問わなくてはいけない世界。

自分を肯定できず、未来に希望を描けない世界。

それが今の現実世界なら、
みんなで早くそれをぶち壊したい、と願う。

男とか女とか、そういうのを超えて、
愛して愛されて、家族を持って幸せになれる世界をつくりたい。

クラスで同性愛について話し合う高校生たちの、どこからか借りてきたような、きれいな言葉たち。
もっともな言葉だけれど、胸に刺さらない。
作中でも言われていたように、他人事でしかないディスカッション。

それを超えて、超えて、その先に、
新しい世界を作りたいと願う。

2時間の作品から、これだけの想いが生まれたなら、やはりこの作品は成功したというべきなのかもしれない。

多くの人に見てほしい作品ではある。
あお

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