ドラマがよかったので、映画化も楽しみにしていた。
正直、ドラマの方がよかったかな。
金子大地の憂いのある表情が、役の繊細さを十分に表現していたから。
あれには及ばなかった。
それでも、例えばラスト近くの表彰式でのシーンは、こちらの方がよかった。
縁台のこちら側に隠れて、2人が抱き合うシーン。
あれは、ドラマ版より自然で、よりリアルだったと思う。
同性愛者の青年が、自分みたいな人間がなぜ生まれてくるのか?と問わなくてはいけない世界。
自分を肯定できず、未来に希望を描けない世界。
それが今の現実世界なら、
みんなで早くそれをぶち壊したい、と願う。
男とか女とか、そういうのを超えて、
愛して愛されて、家族を持って幸せになれる世界をつくりたい。
クラスで同性愛について話し合う高校生たちの、どこからか借りてきたような、きれいな言葉たち。
もっともな言葉だけれど、胸に刺さらない。
作中でも言われていたように、他人事でしかないディスカッション。
それを超えて、超えて、その先に、
新しい世界を作りたいと願う。
2時間の作品から、これだけの想いが生まれたなら、やはりこの作品は成功したというべきなのかもしれない。
多くの人に見てほしい作品ではある。