SHOCKER戦闘員の映画日和

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎のSHOCKER戦闘員の映画日和のレビュー・感想・評価

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)
4.0
2023.11.23
ゲゲゲの鬼太郎映画はすこぶる久しぶりでしたが時間帯も丁度よく思いのほか話題性も高かった事もありさっそく鑑賞して参りました。
最後に劇場で作品で言えば2008年に公開された「日本爆裂!!」以来でしたのであれから約15年という歳月が流れていた事にも驚きましたが、私の鑑賞した回は半分ほど埋まっていましたが、
客層の約8割が女性の比率が多くて何より意外でした。
妖怪を題材にした映画も時代と共に多才に変化している事も大きな収穫だったと思います。
今作は日本爆裂!!と同じく古賀豪監督という事で、妖怪オールスターズの世界観から一変して今回は目玉おやじ,ことゲゲ郎の半生を水木,という人間と共に探求していく物語だったのも映像作品としてはありそうで無かった試みだと思いますね。
舞台は戦後間もない日本と何処かの町村を舞台におどろおどろしい世界観と人間の意地汚さを十分にごった煮したそれはもう恐ろしい物語でした...。
欲を言えばゲゲゲの「謎」の部分をもう少しピックアップしても良かった気もしますが、そこは後世に語り継がれている息子-鬼太郎-シリーズに委ねる。という意味でも後々考えてみればそこは重要なポイントでは無いと結論が出ました。
ゲゲ郎にとって鬼太郎の「誕生」こそが何よりの宝であり、たった一人の愛する我が子と妻を想う一直線な「父」の姿がしっかりと描かれていました。

正直なところ目玉おやじにここまでのバックボーンがあったとは本当に驚きましたし、ゲゲ郎のキャラデザに関してはお好みが分かれる部分もありますが、
あの懐かしい中にも今だからこそ物語る出で立ちが個人的には好印象でした。

要所要所で不気味な表情を浮かべる描写もありますし、人間以上に人間らしくモモタロ...いや、関さんの振り幅が本当に素晴らしかったです。
人間とバディを組んで町村の謎を紐解いていく流れも前半はやや、間延び感はありますが後半の畳み掛けがとにかく凄いので鑑賞後は十分にお腹いっぱいになります。
水木しげる生誕100周年記念作品という節目のタイミングにこうして劇場作品が沢山の層に届くという事も含めて奇跡だと思いますし、ゴジラに続き戦後の日本から見る現代のあり方。
についても深く切り込んだ作風だと感じたので、劇場で鑑賞出来た事が何より嬉しかったです。
☆4なのは劇場配布の特典が惜しくも入手出来なかった事もあり、こりゃ惜しい事をしたなッ!と思ったので総合的に評価させて頂きました。
生誕してくれてありがとう鬼太郎。そして頑張ろう日本!という直球をしっかりと受け取って参りました。