ニコラス・ウィンディング・レフン監督のお父さんアナス・レフン監督作。
第二次大戦、ナチス占領下のデンマークの裕福な家族が直面する問題。モラルと生存のための行動の間で苦悩する姿。
戦争映画もいろいろあって、そこそこみているつもりだけど、まだまだ知らないことがたくさんあるもんだ。どうもこのデンマークとナチスのとても微妙な関係はタブー視されてあまり語られなかったらしい?(と何かの記事で読んだ)
ナチス占領下というと被占領側が残虐な目にあう、非人道的な扱いを受けるという話は映画でよくみていたけど、これは少し違う。
ざっくり言うとデンマークはナチスに物資や食料供給などで協力する代わりにユダヤ人の連行を禁じ、レジスタンスの存在も大目に見てもらったみたい。
国民を守るためにやむを得なかったとは思うが、ナチスに協力するのは人道的にどうなのか。見ているほうですらそう感じるのだから当事者はなおさらだろう。
その様子がある上流家庭の姿を通して描かれる。
この家長を演じるのがイェスパー・クリステンセン。「ヒトラーに屈しなかった国王」でドイツに抵抗したノルウェー国王演じてたけど、ここではナチスに(嫌々ながら)協力してるっていうのはある意味面白い。
協力しないと自身のビジネスを失い家族を養えないうえに、命の危険があるかもしれない。そう考えたら仕方ないし責められないわな…。