2022

そして僕は途方に暮れるの2022のネタバレレビュー・内容・結末

そして僕は途方に暮れる(2022年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

クズ人間の最悪逃避行ロードムービー
クズの解像度と怨恨が深すぎる、心当たりのあるゴミクズ 等身大の極致
都合が悪い事態に陥るとすぐに話変えようとしたり体調悪いとか言い出したり逆ギレしたり逃げたり…上映中何度も白目剥いて天を仰いでため息ついて最悪最悪最悪って声に出しそうになった

主人公が映画2時間かけて最後に見せた変化・やっと出てきた言葉が「なんかごめんなさい、なんかがんばります」なのも残酷なまでに生々しくて人間に対してあまりにも正直で冷静な眼差しだと思う 「成長」に対して全く物語的なご都合主義にならず残酷なまでに等身大に描こうとする姿勢を感じる 仕打ちの甘さも何もかもがリアルな丈感で新鮮に絶望する 情けない矮小な人間の話

そしてそれを表現する藤ヶ谷の演技も凄かった クリティカルにムカつく最悪駄目人間
心が身体に追いつかなかったり身体が心に追いつかなかったり、そういう挙動のバグの表現するが凄いと思う
あまりにも見たことある奴の話しすぎてむしろ前田あっちゃんが自分に見えてきた

最後のシーンは「逃げて、逃げて、逃げ続けた先でどうしようもなくなったら映画の主人公になったつもりで『面白くなってきたぜ』」の笑顔なのか 逃避の先すらも現実逃避で情けない、けどそんな最低人間の切羽詰まった矮小な現実すら物語にしてくれるのが映画ってことで、人間が最悪であればあるほど創作が最高になることもある、的に理解をした

とにかく終始嫌で嫌で仕方なかったけどこんな現実の怒りや呆れを呼び起こして観客の中指を立てさせるなんて物凄い映画だと思う
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