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戦火のナージャのFyohkoのネタバレレビュー・内容・結末

戦火のナージャ(2010年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます


『戦火のナージャ』

2010年公開のロシア映画


1941年
政治犯として、労働キャンプに
収容されているコトフは

ナチス・ドイツ軍の
空襲に紛れて脱走し
罪人隊へ潜り込む


一方で
幼い頃に引き離された
娘ナージャは

父親が生きているコトを知り
コトフを探すために
従軍看護師に志願し
戦場へ向かう


戦争によって
引き離された父娘が

それぞれを想い
必死に生き抜くという話



後から知ったのだが
どうやら、本作は

ロシアの巨匠
ニキータ・ミハルコ

『大粛清時代』3部作の
2作目だったらしい


前作『太陽に灼かれて』の続編
のようだが

前作を観ていなくても
全く問題なかった


宣戦布告なしに
突然侵攻してきた
ナチス・ドイツ軍に

全く対応が追いついていない
ソ連側は

指揮系統も杜撰で
伝達もうまくいかない


大勢の住民が
避難するシーンでも

どこか牧歌的な
雰囲気すら漂うが

大橋が爆破されたり
赤十字船が空爆を受けたりと

恐怖を感じる間もなく
身の回りにいた人々が
死んでいく中

残された人は
やっと現実を直視し始める
という感じ


ドタバタした雰囲気から
コメディか?と
思わされるが

物語が進むにつれて

生々しさを感じずに
いられなくなるという

不思議な作りになっている


というのも

メディアで流される
戦争というものは

映画も含め
必ず編集が施されていて

良くも悪くも
外側に向けたダイジェスト版
になっている


突然始まった戦争に於いて
内側の人々は

必ずしも
思想や能力の統制が
取れている訳ではない

という意味で
今までにない生々しさを
感じた気がする


あまり期待してなかっただけに
とんでもない作品を
引き当てた感あり

前作「太陽に灼かれて」と
続編「遥かなる勝利へ」も
是非とも観てみたい





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