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ノーカントリーのkaitomoのレビュー・感想・評価

ノーカントリー(2007年製作の映画)
4.1
なんとも言えない表情で警備員の首を絞め殺すシガーの登場シーンのインパクトに、まずガツンとやられる。更に、そのあとの雑貨屋の男との会話で「話が通じないヤツ」としても恐ろしくてゾッとする。パッと見武器だと分からないような武器で殺すのも怖い。
そこからは追うもの追われるものの構造ができてくる。金を盗んで追われるルウェリン、それを追う殺人鬼シガー、そこに警察や殺し屋も加わって四つ巴のハデな殺しあいを予感させ、ワクワクしてくる。
しかし、普通には盛り上げないコーエン兄弟。真骨頂であるスカシ芸で、こちらの期待を絶妙に裏切っていく。登場人物の死ぬタイミングやストーリー展開、何一つ想像通りに進まない。だから全然気持ち良くない。なのに面白い。
基本静かだから音大きくしてたら、終盤の事故シーンは本気でビックリした。
何が言いたいかよくわからない部分も含め、深みがあって、また観たい気持ちになった。
すかされる覚悟ができていたからか、オールドマンに近づいたからか、初めて観たときより余程面白く観られた。
#公開時以来二度目の鑑賞
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