難解ですが、余韻がいつまでも後を引く作品でした。
1回目の鑑賞の際には置いていかれてしまい、途中まで惰性的に観てしまっていたのですが、終盤に差しかかってからは、その演出に衝撃を受けました。
たぶん観る人それぞれに解釈が違うんだろうし、その誰もが作者の言いたいことや監督の意図するところを正しくは読み取ることができないんだろうなと思いました。
でも、だからこそ、いつまでもこの映画の雰囲気が頭から離れず、余韻となって自分の中に残っている感覚があり、もう一度鑑賞することにしました。
2回目の鑑賞でも、やっぱり置いていかれましたが、とても味わい深いなと思いました。
私が「死にたい」と言う時には、本当に死にたいわけではなくて、ただこの現状から逃げ出したい、この鬱屈とした気持ちから解放されたいという思いを抱えている時です。映画の中の“私”も同じだったのではないかと思います。
言葉にするだけでは不十分で、だけど行動にうつすほどのことでもない。そんな行動しないものに対する攻撃。途中、戦争を仕掛けられているのはこの映画を観ている私自身か、と思う瞬間があり、なんだかドキッとしました。
似たような日常だけど、違う世界を生きている私たちに対し、あなたはどうする?何を懸ける?と問いかけられたような気がします。
原作は映画よりも難解ですが、がんばって挑戦しています。きっと、この本も何回も読み直すことになるだろうと予感しています。