YUMI

バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版のYUMIのレビュー・感想・評価

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小学生の頃、学校の図書室にあった、子供向けに書かれた原作を読んだ記憶があります。確か「まぼろしの犬」というタイトルになってましたが。
でもどんな話だったか全然憶えてなくて、火を吹くデカい犬に襲われるシーンがあったよなあ、ってくらい。
しかし本作を観て、こんな日本的というか、日本人が喜びそうなと言うか、日本映画的な話ではなかった気がするなぁと思い、wikiであらすじ検索してみたら、やっぱり全然違う話でしたね。
どこをどう脚色したら、こんな昔のカドカワ映画みたいになるのかとw
事件の依頼をしてきた老人がその場で死ぬってのは「八つ墓村」だし、物凄い豪邸(洋館)は「配達されない三通の手紙」、莫大な遺産争いは「犬神家の一族」?あと、車椅子のご婦人が登場するあたりは火曜サスペンス劇場を思い出しましたw
あとは崖っぷちで犯人を追い詰めるシーンが有れば完璧だなと思ってたら、家ごと崖崩れであぼんでしたか。
なんて茶化したことばかり書きましたが、私は結構この作品、好きです。上に書いたような「古き良き探偵小説の匂い」は大好物なので。
それに、子供が誰でも一度はする空想「私には本当のお父さんとお母さんがどこかにいて、その人たちはきっとすごいお金持ちなんだ」って奴の逆バージョンでしたが、たとえ裕福でなくても、愛に包まれた暮らしの方が幸せなんだなと感じました。
でも、こんな小さな島で、赤ちゃんをさらって自分の子供の身代わりにしてたら、絶対にバレると思うんですのね。
それが出来ないくらい(警察も手が出せないくらい)蓮壁家には権力があったって事なのかもしれませんが。
紅(碧美)ちゃんと両親は、最後の瞬間一緒にいられて幸せだったかもしれませんが、巻き添え食った小泉孝太郎とビルは気の毒。
アメリカ映画だったら、きっと孝太郎氏は生き残って、ビルを引き取りましたって結末になっただろうと思う。
同じく外国映画には絶対出てくる「本作の撮影にあたり動物を傷つけてはいません」ってテロップもなかったなあとw
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