EDDIE

RibbonのEDDIEのレビュー・感想・評価

Ribbon(2021年製作の映画)
3.6
精魂込めて作った卒業制作の披露の場がなくなり行き場を失った美大生。自分の作品は“ゴミ”なのか…親友とのぶつかり合いや家族との関係。渡辺大地の役の与える安心感と救われた気持ちが堪らなくいい。ただ母親の勝手に物を捨てる行動に対しては怒りしかない。

〈感想〉
ふとU-NEXTポイント鑑賞で、今年公開新作で見逃している作品をとこちらをセレクト。
のんが長編映画初監督作品で、自らも主演という作品。

『おちをつけなんせ』というYouTube配信映画で監督デビューを果たした彼女。
そのデビュー作は観ておりませんが、思った以上に「作りたい」という意志を感じた良作でした。

全体的な音声の拾い方とか、微妙に気になる点はありましたが、オチの付け方も含めてなかなか良かったです。

キャラクターとしては渡辺大地の役柄の使い方が上手かったですね。
彼は最初得体の知れない人として登場するのですが、なかなか前に進めないでいる主人公の大学生いつかにとってかけがえない存在であり、物語としてもかなり重要な役割を与えられていました。
これが恋愛要素とかそんな浅はかなものではなくて、きちんと物語に絡んでくるパーツとなっていたのが素晴らしかったですね。

とはいえ、いつかの母親が物語を推し進めるための道具としての機能しか果たしていなかったのが残念でしたね。
ハッキリ言っていつかの母親の言動は許せるものではないし、人としてあの行動をとったことが理解し難いんですよね。
もちろん人として何か欠けている人とかそんな役柄であればわかるんですが、いつかをキレされるフックにしかなってなかったんですよね。

そんな苦言もありながら、一つの物語として一本筋は通っており、とても良い作品ではありました。

〈キャスト〉
浅川いつか(のん)
平井(山下リオ)
公園で出会う男(渡辺大地)
浅川まい(小野花梨)
いつかの母(春木みさよ)
いつかの父(菅原大吉)

※2022年新作映画92本目
※2022年自宅鑑賞121本目
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