ミミック

うみべの女の子のミミックのレビュー・感想・評価

うみべの女の子(2021年製作の映画)
3.4
原作漫画が10年以上も前というのもあるが、'中学生同士の性描写を描いたセンセーショナルな作品'みたいなコピーが付く時点で前時代の作品のような古くささを感じてしまう。そのくせ暴力描写はもうひとつぬるい。原作を過不足なく描いてた気がしたけど時間が過ぎるのが遅く感じたのは漫画で読んだときのリズムを覚えているからか。浅野いにおが描くような女の子が流行った時代があったような無かったような。磯の香りは漫画の方がした気がする。

刹那的で感情の起伏が激しい主演の二人がどういう人間かいつまでも掴めずモヤモヤしっぱなし。そもそも声を荒げて激昂する邦画が苦手なのでうえっとなる。家のなかでも街中でも大人の存在が書き割り状態で全く介入してこないのも少年少女の物語だと仕方ないのかな。それゆえリアルタイム世代の没入感は大きいのかも。SDカードへの執着とかSNSへの距離感もやはり少し前な感じがする。

磯辺役の子は稲垣吾郎のドラマとか朝ドラにも出てるし、小梅役の子も他にも話題作に出てたりしてるので、これだけ体張ったからにはバカ売れしてほしい。石川瑠華の声は少し宮﨑あおいっぽさがある。まえだまえだはどちらもすっかり若手俳優界の名バイプレーヤーになって頼もしい存在になってる。

この映画で得た教訓は、子供のうちは大人が近くで観察してないと簡単にセックスしてしまうよという警鐘。
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