ショウジ

私たちの家族のショウジのレビュー・感想・評価

私たちの家族(2021年製作の映画)
3.0
第16回札幌国際短編映画祭にて鑑賞。
(12月5日までオンラインで鑑賞可能です)

日本在住の3人の子どもがいる夫婦のうち、旦那さんの方がアメリカ国籍かつトランスジェンダーで、アメリカでは性別を女性に変更できたけど、日本だと同性婚を認めてしまうことになるので受理されず…というドキュメンタリー。

世の中の夜の生活がなくなっている夫婦を例に挙げた上で奥さんが「私には他に男性のパートナーがいるので、エリンにも彼女とかが出来ればいいと思うんですけど…」っていう話をしたのにはびっくりした。それだったら籍を抜いた上で性別を変更して、死後の権利関係は書面に残して家族関係だけ続ければいいのでは…?と思ってしまった。「人それぞれ幸福であればいい」というようなことを言いながら、同時に「周りにも夫のことを男として見られなくて他所で浮気してる人がいっぱいいて、それが暗黙の了解みたいになっているのに、うちが認められないのはなんで?」みたいな文脈のことを言うのは、子どもがよく言う「みんな持ってるのに!」と同じような違和感を覚えた。

LGBTQコミュニティ内でも差別が存在するっていう話が出たのはよかった。地球上の全ての人間が差別意識とか偏見を持っているし、なくなることはないと思っているので。

インタビューで子ども自身のトラウマをわざわざ掘り返すのはどうなの…と思った。その事実を隠さずに編集した姿勢はいいと思うけれど、ドキュメンタリーの主題はそこじゃないし、不用意にデリケートなことを聞くなよ…
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