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先生、私の隣に座っていただけませんか?のharunomaのレビュー・感想・評価

1.0
作家性とは立派なもので、どんな条件においても、何も考えずとも、映画は、映像の画面にその人の撮るものを刻印していく。
九州大学時代の『YOBIMIZU』という活劇から遠く離れ、というかそういうことは止めて、今これがあるわけだが、面白いのは、藝大を卒業すると、同じようにデジタルの弛緩した間伸びした時間(ルベツキ・アプリですらなく、完全に反知性主義の歴史=映画史そのもの)がショット毎に現れ、ショットが変わるたびに、ため息がもれる。もともとよくないが、ここまでよくない(うつくしくもない)黒木華、柄本佑を見るのも珍しい。ヨーロピアンビスタの選択も意味不明だし、タイトでヘッドルームの余白のない中途半端なショットサイズも、10年前のイメージとしてのデジタルシネマから抜け出ない。タイトルと企画だけがあり、Amazon prime で確認するくらいのたぐいの、黒沢ターム「この程度でいい」という言葉が妙にしっくりとくる。とりあえず映画という商品をくれ。
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