NaO

エンドロールのつづきのNaOのレビュー・感想・評価

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)
-
インド版ニュー・シネマ・パラダイス、と言われているが未鑑賞であり、インド映画は最近観始めた初心者。
まず“バラモン”って何⁇と思って調べてみたら、司祭階級でカースト上位なのね。
父ちゃんは兄弟に騙されて財産を奪われチャイ売りまで“没落”してしまった、と。
映画は低俗なもの、と位置付けるのもかつてのプライドからなんだろうなぁ...現状を一番受け入れられず鬱々としていたのは父ちゃんだったと思う。

父ちゃんにとって低俗なものであるはずの映画はサマイの関心を引き、のめり込むまでのものとなった。
私もインド映画を通して色々調べるようになったことで「知らなかったことを知るのは楽しい」「その先をもっと知りたい」と思うようになったので、サマイの思いが強く伝わって来た。

「光の勉強がしたい。光は物語を映してくれる。そして物語から映画ができる」
父親に連れて行って貰った初めての映画館で壁に開いた穴から伸びる一筋の光に魅了され、映画を愛した少年とその熱意に巻き込まれた優しい友人達。

映写機を手作りして盗んだフィルムを使ってサマイ監督オリジナル作品を上映したシーン。子ども達の柔軟且つ多様な発想に驚かされた。子どもって無限の可能性を秘めているんだな、と改めて気付かされた。大人は諦めることを覚えてしまうから。

時代の流れと共にフィルムは過去の遺物となり、デジタルが導入されたギャラクシー座。職を失った者、新たに職を得た者。
サマイやファザールが愛した廃棄フィルム達の行方にも驚いた。今後はあの女性を彩る装飾物がどの監督のどの作品なのか思いを馳せるようになると思う。
エンドロールのつづき、素晴らしい邦題だと思った。

光を映画を愛した少年(監督自身)から映画ファンへの素敵な贈り物を貰った。また観たいな。

エンドロールが短いので落涙を止められず、泣きながらパンフを買いに行ったのも今後良い思い出になると思う。
NaO

NaO