たく

ふるさとのたくのレビュー・感想・評価

ふるさと(1983年製作の映画)
3.6
岐阜県の辺境の村が徳山ダム建設のために水没していく運命を背景に、現地に住む夫婦と同居する手に負えない痴呆症の老人と少年との交流を重ね合わせる話で、美しい自然の風景にノスタルジーが漂う。
ダム建設で水没する村の話といえば、なんたって「長江哀歌」思わせるよね。

役者では加藤嘉のボケ老人がハマりすぎ。リアル老人としてとにかくいろんな映画に出演してるバイプレーヤーで、最近観たのでは「武士道残酷物語」の酷いエロジジイ役が印象的だったな。

彼と同居する夫婦の妻を演じる樫山文枝の可愛らしさと聖母のような限りない優しさが印象的で、愛情表現の不器用な長門裕之演ずる夫との仲睦まじい雰囲気がなんとも良かった。映画出演は少なく、調べるとこないだ観た「わたしは光をにぎっている」に出演してて、自分のレビューを読み返すと偶然にも「ちょっと『長江哀歌』を思わせる」って書いてた!
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