たむ

コーダ あいのうたのたむのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
3.8
フランスの傑作音楽ホームドラマ『エール』のリメイクで、オスカー有力候補との呼び声もあります。
傑作のリメイクはほぼ失敗しますが、耳の聞こえない家族の中で唯一耳が聞こえる娘が音楽に夢を託す、というテーマは普遍的でどこの国でも変換しやすいドラマでもあります。
さすがはアメリカ映画らしい青春映画に脚色しています。
物語はほぼ変わらないのですが、学校でのいじめの描写や酪農家から漁師に変更されて、搾取されていく貧しさと言った描写の積み重ねは、家族の中だけではなく、社会との葛藤をより強く描き出している印象です。

オリジナルの良さをしっかりと再現しつつ、しっかりとアメリカの映画へと脚色して、オリジナルを観ていても新たな発見があります。
『シング・ストリート』とも元々似ているテーマなのですが、主人公が憧れる少年を演じているのが、『シング・ストリート』の主人公の少年!
映画というものは横にも繋がっていくので、たくさん観ていくとやっぱり多くの発見がありますね。
たむ

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