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コーダ あいのうたのsanchangのネタバレレビュー・内容・結末

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃ素晴らしくて、何回も涙腺決壊しました。特に、聾唖の父が低音が響くという理由でヒップホップが好きという軽いジョークのような設定が、クライマックス、星空の下での最重要シーンに生きてくるとは。まったく思いもよりませんでした。

上記クライマックス前、学校の合唱イベントで観衆みんなが娘の歌に感動している中、耳の聞こえない家族だけが疎外感を感じるシーン。これが前振りになってるのが素晴らしい。このシーンでは、あれだけ練習していた(そして私は楽しみにしていた)マーヴィンゲイとタミーテレルの「you’re all I need to get by」の本番の歌唱を無音で見せる演出。えっ!結構楽しみにしてたのに!と思ったけど、だからこそ、観客(である私)は父の疎外感を痛烈に感じる作りになってるのが秀逸。そして、家に帰ってからの星空下での歌唱シーン。学校で疎外感を感じた父が「私のためだけに歌ってくれないか」で泣いてしまったのに、さらに彼女の喉の震えを手で感じとるところ。ここでヒップホップ好きが効いてくるか!と涙腺決壊しました。
さらにこれだけで終わらず、バークリーでの試験のシーンはおまけかなと思っていたら、普通に歌い出したジョニミッチェルの歌に、家族の存在を認めると、歌を手話で伝える演出。これまで家族全員ではどうしても共有できなかった彼女の歌を共有して一つになる瞬間でさらに涙腺決壊。この映画は涙がいくつあっても足りませんでした。そして友人に1人codaがいるので、彼に是非見てほしいとおススメしておきました。
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