れーちゃん

コーダ あいのうたのれーちゃんのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
5.0
大傑作!5点じゃなくて5億点!
ろう者の両親から生まれた健聴者「Coda」とその家族のおはなし。

Codaである娘のルビーにはろう者の父母そして兄がいる。家族の通訳者であり、社会との架け橋となっている。
そんなルビーは学校で合唱部に入り歌の才能を開花させていくが、常に家族を優先し、自分のことを後回しにしてしまう。
ルビーが夢を追う姿と家族の絆、「音」のもたらす感動をこれでもかというくらい感じることのできる素晴らしい作品。

この作品は「ろう者の世界」と「健聴者の世界」を忠実に再現している。耳が聞こえないため生活音は爆音。健聴者からしたら耳障りだろうが、ろう者には聴こえていないから何も気がつけない。

そんな "聴こえない世界" の表現が健聴者である自分たちの胸に突き刺さるように伝わってくる演出がたくさんあり、胸が苦しく切なくも、哀れに思うわけではなく幸せな気持ちになれる、そんな素晴らしい作品だった。

そして、ろう者だって普通の人間なんだということも強く描かれている。美味しく食事をし、楽しく笑い合い、セックスだって楽しむのだ。

本作のキーパーソンでもある音楽の先生がルビーに歌っているときの気持ちを表現させるシーンがある。そこでの表現が『リトルダンサー』と重なり、導く人が本当に大切なことを実感。先生最高すぎる。

主人公ルビーを演じた、エミリア・ジョーンズはNetflixオリジナルドラマ『ロック&キー』の長女役。彼女の才能は感じていたが、本作で衝撃を受けた。
また、ルビーとデュエットをする役の男の子が私のオールタイムベスト『シングストリート』のフェルディアくんだっただけでさらに泣けた😂
先生がマイルズにギターを指示するシーンはまさにそのオマージュではないだろうか。

もう本当に、こんな良い作品に出会えて幸せ以外の言葉が出てこないくらいによかった。
感動。そんな言葉で片付けたくないほど想いが詰まりすぎててこのシーンも良かったとか、泣けたとか、たくさん語りたくなってしまう😭

ここから一番聴きたい!!と思う歌唱のシーンでのあの演出が本作の全てだった。

家族がルビーへ送った🤟🏼とルビーが家族へ送ったReal 🤟🏼は一生忘れられないシーンとなった。
れーちゃん

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