カレーライス

コーダ あいのうたのカレーライスのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
2.0
普通に「良い」お話。
でも「えっ?これで作品賞?」が率直な感想。
知り合い連中には「心が荒んでいる」と指摘されちゃいましたが。
だって構成がそっくりそのまんま「グッド・ウィル・ハンティング」じゃんか!笑

終盤、兄貴が「こんな町出た方がいい」って主人公に忠告するけど、はい、ここベン・アフレック!
マフラー巻いた音楽教師は、はい、スカルスガルドまんま!
非凡な声の持ち主だとか、教師に才能を見出されて導かれるのも、はい、これマット・デイモンの設定と全くおんなじ!

聾唖の家族を残してボストンへ行けない葛藤って、はいこれ「ギルバート・グレイプ」!

通過儀礼ものの「教科書」の域を出ていない。
普遍的な構成をなぞってるだけで、アカデミー賞作品賞は到底納得いかない。
「ドライブ・マイ・カー」のが100倍魂に訴えてくる映画だし、新しいことやってる。
カンヌ獲った「チタン」なんて遙か彼方先いってたよ。

真面目な話、音が聞こえなくてもスマホの文字情報とか最新デバイスで障害補完できること多々あるのに、何一つやってない。
サスペンス盛り上げるためのカセなんだろうけど、家族が娘に依存しすぎだし、娘もスケジュール管理下手っぴ過ぎる。
あと大学は実家から車で1時間の距離らしいじゃん、通学できるだろ!笑

主体的に行動しない主人公。
レッスンも進学先も受験も全部受け身。
周りの愛情に支えられてる主人公を描きたいのわかるけど、これから独りでボストン行って挫折しませんかね?
超一流の音楽家を目指す若者が世界中から集まってきてしのぎを削るんだよ?
映画「セッション」のハゲオヤジみたいなイカレタ講師がいるかもなんだよ!

バークリーって、出身者に上原ひろみとかジョン・メイヤー(中退)がいる名門中の名門だかんね、奨学金だって4年間満額得られる保障ないし、年間500万円くらい学費払うんだよ、あんなヤマハ音楽教室みたいなレッスンだけじゃ挫折必須だよ!

アッブルが権利を買った動機は、扱われている曲をApple Musicで独占販売したいからでしょ?
配信ビジネスがパッとしないアッブルは、なんとしても作品賞の箔を付けたくて、ロビー活動を展開してたじゃん。
作品賞獲得のため1,000万ドルの広告費を投下したApple。
そろばん弾いた大人の事情が垣間見える。
しかもリメイク。
客席のいたるところからすすり泣き聞こえてきたけど、正直自分は冷めちゃった。

100人中99人が「感動した」「泣けた」って評価するのだろう。
でもそれって「砂糖は?」「甘い!」なだけだよね?
アカデミー賞作品賞はどうかと思ったな。
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