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コーダ あいのうたのcrnのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.0
リメイクがアカデミー賞を取るなんてアメリカ作品だからなのかと訝しみながら鑑賞し、あらためて「エール」も観てみる。本作の方が劇的につくられていて、かつ家族皆のキャラクターに厚みがあり、その上で原作の優れた演出をそのまま受け継いでいた。特に父親の役割がより明確になっていたのが良かった。男の子や先生は話を進めるために都合よいキャラクターになっていたけれど、歌の力で強引に流してしまうのは音楽重視の映画の王道パターン。全体として、評価されやすくきちんと再構成されていた。

無音のコンサート、父が娘の喉に手を当てる夜、手話付きの歌、という幾つかのハイライトは、あらかじめ知っていても感情を揺さぶられる。それ以外にも、小さなエピソードの積み重ねが、ルビーとこの家族を知るためによく効いていた。
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