本屋としての仕事を大切にすることで、幸せになろうとする人たちを支えるリベロの表情と言葉が素敵だった。
生活の改善、パートナーとの関係、誇り、そして移民であることのアイデンティティなど、本屋にやってく>>続きを読む
アニメをそのまま実写にしたかったのだ感じた作品。ジブリ映画を(一部の設定以外)丁寧になぞった回想シーンがあることと、その再現度の高さに驚く。その過去の延長にある現在もアニメっぽい動きをするから、25歳>>続きを読む
日本のリメイク版はクドカンと知って期待して鑑賞。彼らしさはありつつ、全体的に原作を大事にしていた印象だった。
男女を逆にしたことである種の気持ち悪さが薄れたり、京都の景色を選んだり、工夫が感じられた>>続きを読む
ワンテンポ速いというのは意味ありげなだけで、ただせっかちな女性なのかと思ったところで、種明かしがされる。その瞬間から違う物語が始まるのがおもしろい。一秒のずれが積み重なってできた1日は、彼の夢の時間で>>続きを読む
登場人物それぞれが、ちょっと良い感じに会話ができた人のところにすぐ泊まり、次々パートナーを変えていくお話。裏切られ裏切りが続いてもどろどろせず、誰しもが自然と自分が必要とする相手を探し続けてしまうのか>>続きを読む
セリフ量や物理的な動きが多く、まるで舞台のようなシチュエーションドラマ。それが、各部屋につながる廊下部分からの長回しによって映画らしくなり、いくつものシーンが同時並行していることによってドキュメントら>>続きを読む
原作やあらすじを知らなかったので、あみ子をどう捉えていいのかわからず困惑しながら見る。見終わって、その困惑は彼女の周りにいる人たちの感覚に似ていたのかもしれないと思う。
「少し変わった子」で済ますこと>>続きを読む
ひたすら、アン・ハサウェイ鑑賞の時間。
少女漫画を卒業して25年程経った女性たちのために作られたような作品。
もっと普通の女性が主人公でこのお話が成立させられたら、本当のファンタジーになったように思>>続きを読む
登場人物と一緒に恋の定義を考え、光の定義に誤りがあるのではと訝しみながら見るのが、新種のサスペンスのようでおもしろかった。特殊能力者がもう1人近くにいたり、癖のある口調が続いたりする展開は、漫画っぽさ>>続きを読む
最後に押し寄せる愛おしさに、見ているこちらが驚いてしまった。主演2人の人間味から出てくるような真っ直ぐさがそう感じさせるようで、役にはまっていた。愛情や尊敬で見つめると、普通かどうかなんて尺度は関係な>>続きを読む
唐突なラストに頭が追いつかず、タイトルをヒントに解釈しようとすることしかできず。シーンごとに善き人なのか悪しき人なのかが変わって見えるつくり。悪がないのだとすれば、生き方を外部に左右され、自分の意思で>>続きを読む
小さな出来事が重なって、誰とも、何も、うまく行かないと感じる日々がリアル。一度は追いやった鳩に、いつの間にか執着し、最後には飛び立っていかれて解放される。対象とのそんな関係性もリアルに感じた。
孤独死というテーマと、それを見送る男の生き様を見せるという展開が、現代的でおもしろかった。悲しみや歯痒さのようなものがずっとあるから、ユーモアに救われる。
最期に孤独に死んだことだけをとって、その人>>続きを読む
相手が死してなお溢れるほどの愛情を受け取り、彼以外の人たちにも向き合いながら自分の人生を生き始める女性の物語。主人公と恋人が2人の関係性に浸っていく中でも、周りの人の視点が丁寧に描かれていたのが良かっ>>続きを読む
ロシアを見てみたくて鑑賞。最悪な出会いからほんのりした恋心に移っていくロードムービーという大筋の印象とはかけ離れた、Before sunriseの爽やかさとは対照的な感じがおもしろかった。ひねくれてい>>続きを読む
大人に振り回される子どもの人生。子どもに一貫して寄り添うことができない大人たちに重ねて、カブトムシを見つけた秀夫の笑顔から突き落とすラスト。人間味がある作品かと思いきや、そこそこ残酷に終わる。それでも>>続きを読む
建築の街に自分を留めるか否かを、別の方向から悩む2人の話。建築の話から少しずつ自分を吐露し、それぞれが背負っていくものと決断が見えていく丁寧なつくりが良かった。
直線の際立つ建物と、洗練されたその内>>続きを読む
僻地、自然災害、貧困、慣習などにより、学び続けることが困難な子どもたちに対し、教育を届けるためこれだけ奮闘している教師たちに頭が下がる思い。生徒と言葉が通じない、10日間だけの移動教室、生活苦から娘を>>続きを読む
映画を光として捉えた少年が、それを自力で再現しようとする奮闘ぶりが想像以上で魅せられる。演出がやや過剰なのは自伝的物語ならでは。光に夢中になった時間、映写機のリサイクルを眺める無力感、そして否の打ちど>>続きを読む
こうした一つひとつの事例の積み重ねが、時代の変化になっていくのだと感じる作品。そしてその事例には、ただただ当たり前のこととして公平性を求めた人たちがいて、その主張を理解し共に行動した人たちがいることも>>続きを読む
3つの人生を生き、輪廻転生ではなく有のための無に心惹かれたヤンが、機能を停止した後のお話。その存在が無くなったことで、誰かの中に一部として存在するようになっていた。ミカが接木を通して家族を理解し、中国>>続きを読む
コーエン兄弟×ユダヤ教の不条理劇。外部から襲ってくる訳のわからない事態に対して、人間はあまりに弱い。真面目な男が、次々襲ってくる災難に真面目に対処しようとするうちに、自身の善悪の価値観を揺さぶられてい>>続きを読む
展開が良い意味でめちゃくちゃで引き込まれたし、しんみりするラストのまとめ方も上手。ただ、ストーリーや見せ方の面で、私の許容範囲を試されたような気持ちになった。自己肯定感の欠如による狂信的で非道な主人公>>続きを読む
経済格差という言葉の先で、低所得国で弱い立場にいる者が搾取されていることを具体的に見せる作品。始終、主人公マリアの命が守られるのかとはらはらし、緊張感からストーリーに引き込まれた。
米国に移住した人>>続きを読む
1970年代からリアリティショーがあったとは。当時はドキュメンタリーという位置付けのはすが、製作陣の介入が過度だったよう。世間の目に負けずにのしあがっていくという展開が、さすが選ばれしアメリカ代表家族>>続きを読む
できることはたくさんあるけれど、何かしっくりこない。追い求めているものが何か分からなくとも、「これは違う」と気づいたら無視できない。そんな彼女に共感できるかどうかで、作品の評価に影響しそう。
12章>>続きを読む
まだ若いドランなので、ドキュメンタリーならではの複数視点からその人を浮かび上がらせるとよりは、人生の一つの章を本人と近い人々が振り返っているのを眺める感じ。監督としての彼は、自身の作品の雰囲気とは違っ>>続きを読む
小さな田舎町で退屈そうにしていた女の子が、熱中することを見つけて自分の道を選択していく物語。自分の意思で自分の町から出ていくときの、バスの中から手を振るシーンが象徴的でよかった。
ローラースケート競>>続きを読む
10年間を振り返る100分のインタビュー。
子どもたちが子どもらしくいられるよう大人たちが気遣った現場だったようで、主演3人の感謝の涙に自然とつられてしまう。世界中からの高い期待に応えて、映像化が難し>>続きを読む
ブッククラブが題材の映画は好きなことが多いのだけれど、この作品には読書ならではの面白さがあまりなかった。ワイン女子会を見ていた印象。こういう楽しい老後があったらいい。
森達也監督が劇映画を撮ったのは、今この時代に100年前の様子を見せるための方法だったのだと納得。当時には恐らくなかった視点が色々盛り込まれていたのは気になったけれど、ジャーナリストとしての森さんの自省>>続きを読む
Smokeが良かったので鑑賞。全体の独特な雰囲気に引き込まれていたら、オチに唖然としてしまった。彼の家族との原体験や、不思議な石を巡る一連のことはなんだったのか、なんでもなかったのかが掴めず、原作を読>>続きを読む
邦題が全てを語る作品。
欧米式のクリスマスムードの中に猫がたくさんいるのを見るのは、何の難しさもなくて気楽。猫は皆美しい子ばかりだけれど、人間たちは美しすぎなくてリアリティがあった。
2時間ちょっと葬儀の様子を断片的に眺めるだけで、ソ連やスターリンの知らなかった側面が浮かび上がってきた。
ソ連の国土の広大さにまず圧倒される(オープニングとエンディングは、映画的にとても魅せる演出)>>続きを読む
2024年2月以降はただのフィクションと思えなくなってしまった作品。始まりと終わりが繋がったとき、絶望感が残った。私にはブラックコメディとは呼べない。
紛争が日常の中に隅々まで入り込み、その地にいて>>続きを読む
平和な今、豊かになっていくのに、なぜか面白くないエブリマン。コメディのかたちをかりて、若き日の個人と集団の体験に折り合いをつけられない戦中派の哀しさが描かれるとは意外だった。
タイトルからして面白い>>続きを読む