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コーダ あいのうたの日本酒のレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
5.0
音楽で成功するためには、舞台度胸、努力、運、お金、何よりも家族の理解がいかに重要か。そういった厳しい現実も丁寧に描いていました。
聴覚障害を持つ家族に囲まれている中で、もし自分が主人公・ルビーと同じ状況に置かれていたら、自分は音楽の道に振り切ることができただろうか。また音楽に限らず、もし自分に子どもができて、その子が何か大きなことに挑戦したいと言ったとき、それがどんなに険しい道への挑戦でも、このルビーの家族のように、ここまで必死に理解しようと努力できるだろうか。心から応援できるだろうか。そんなことをぼんやりと考えさせられました。

音楽面で言うと、ルビーのファルセットがとても切なく、美しいです。地声と裏声の切り替えで胸が苦しくなるほど締め付けられます。その歌声をバックで支える演奏も素晴らしく、特にピアノの和声が単純でもなければ複雑すぎないところがとても素敵でした。うまく描写できないのですが、2000年代以降のミュージカル音楽を凝縮させたイメージで、私の知ってる作品で喩えるとブロードウェイミュージカルとそれが元になった映画の”Dear Evan Hansen”のサウンドトラックに、曲調や発声が近しいなと思いました。特に”Both sides Now”という曲は、カバーソングですがアレンジが圧巻です。サウンドトラックを聴いてから本編を、良質なイヤホンなどで堪能されることを強くおすすめします。
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