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コーダ あいのうたのyokoのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
3.1
駄作とは言わないが感動しなくちゃいけない空気は辛い。個人的に「地方でうだつの上がらない天才がケツ引っ叩かれて都会へ」映画の最高峰はグッドウィルハンティングだと思っているので比較するとそこまでかな?というのが印象。おとんが歌がわからなくてキョロキョロしてるシーンがあるのだがsound of metalの主人公みたいな後天的なものではないので、そういうものは本人の中で想定内の現象だと思うのだが今初めて置かれた状況のように振る舞うのは謎。もっと雰囲気や聴覚以外の勘所で把握できそうな気がする。その後の喉手での振動、手話の歌の前振り、のための状況に使われているに過ぎないと思う。
カートコバーンのフェイバリット、シャッグス(ざっくりいうと少年ナイフやヴァセリンズ系のヘタウマキッチュポップバンド)が「テクニックではない本当の何か」のモチーフとして取り上げられるがその辺も微妙にあざとい。
今時あそこまで障害者いじりするやついるかな?あともっと単純に社会保障とかありそうなものだが。
海岸で兄貴の喝はグッドウィルハンティングのベンアフレックの「お前が俺たちと同じようにうだつの上がらない人生送ってたら許さんぞ!」の名シーンと重なる。
クラスメイト、コーラス部、漁業関係、人との繋がりがあるようで浅いまま終わっている気がする。地方の閉鎖的な空間が〜みたいな感じでもないのよ。そこが逆に賞レース的なもの、最大公約数的な好感につながっているのかもしれない。音楽の先生も嫌いではないがロビンウィリアムスには及ばない。そういえばグッドウィルハンティングもマサチューセッツの話だったな。
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