ずっと緊張感が続くと思っていたら、私の物語でもあったのだ、と途中で気づいた。
家族のかたちが、両親と私の関係に重なり続けた作品だった。見ててずっと苦しくなるほど、愛がすれ違った家族をリアルに描いていた。
役割と愛の境、犠牲、違うお互いをわかり合おうとすること。誰も悪くないのに苦しいのは、家族を愛しているからこそのものだと思った。それは聾者も何も関係ない。
ルビーをわかろうとするお父さんのシーンを見て、私の両親もこうやって、家族といられなくなった私をわかろうとしてくれたのだ、だから今があるのだと思うと、本当に胸がいっぱいになった。ルビーにも私にも、家族への愛を胸に自分らしく生きてほしいと思った。
