管理人の竹野康治郎

コーダ あいのうたの管理人の竹野康治郎のレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.0
昨年の米アカデミー賞に数多くノミネートされた作品です。耳が聞こえない一家に、唯一耳が聞こえる少女ルビーが歌うことを夢みて、自分が進む道、家族の進む道を描いていきます。ストーリーの展開も、内容も、そしてテンポも、すべてが気持ちよく、観ている人に届くように作られています。2022年を象徴する1作品かと思います。

とにかく、少女ルビーをはじめとする家族のキャラクターが抜群です。耳が聞こえない中でも、家族の生きる力が半端なく、こちらが元気もらうほどです。その中で、自分らしい生き方をしている家族となにか家族を支えることに慣れている少女ルビーの生き方が徐々に交差していきます。ここの脚本が抜群で非常に心に響きます。

この物語は耳が聞こえないことが不幸せの理由になっていない。それぞれ(聞こえる世界でも、聞こえないの世界でも、それぞれの不満や不安などがあって、でもそれが平等に描かれていることが、いい。家族を中心に個性も力強くあり、人間の本当の強さを感じられます。非常にポジティブで生きる力を与えてくれる作品です。

2022年公開作品  57本目

他のユーザーの感想・評価

リメイク版でしたが、こっちの方が好きです

相変わらず母親はナチュラルボーン毒親で腹立ちます

障害のある方を聖人君主として描いていないところがとてもいいですね
人間だもの

このレビューはネタバレを含みます

すごくよかった。
後半ずっと泣いてた。

聾者の家に生まれた聴者のルビー。
父、母、兄、みんな耳が聞こえなくて、自然ルビーも第一言語が手話なのよね。
家業の漁を手伝いながら、生まれのせいで学校では浮いていて、揶揄われたりもする。
クラブの選択に合唱を選んだのは歌が好きと言うものあるけれど、気になる男の子がいるから。
音楽のV先生に才能を認められて大学に行くためのレッスンも始めるけれど、家族と聴者をつなぐ通訳としての戦力を家族(主に母)に頼られているのが、本当に見ていて辛かった。
これも、ヤングケアラーよね。
お金がないことを理由に聴者の通訳が雇えないのは親の都合なのに、それをずっと娘に求め続ける母にかなりイライラしてしまった。
ルビーはそうじゃなくても家族が好きだけれど反面コンプレックスで、だからずっとずっと頑張ってきたのに人生まで我慢しろなんてつらすぎる。

ルビーがV先生に、歌う時の気持ちを、口語でうまく表現できなくて手話で伝えたところでまず泣いた。
ルビー、先生に出会えて本当によかったね……。
後半、合唱クラブの子達による音楽祭、ルビーとマイルズの歌が無音になったときに、ずっと涙が止まらなかった。
音楽大学に行きたいって言ったルビーにほのかに理解を示したお父さんが、お母さんと一緒に観客の反応を見て、聞こえなくてもいかにルビーに歌の才能があるかを知るのよね。
ああ、この子の歌は人を感動させて、涙まで流せる力があるんだなって周りの人の様子で知るっていうのが、聾者の世界を追体験させて貰った感じがして、すごく感動に震えた。
コンサートから家に帰って、ルビーは父にだけ歌を歌う。
ルビーの喉や胸周りの振動を聞くお父さんにはきっとルビーの歌が聞こえたんだろうな。
もう本当に涙止まらん。
大学のオーディションの、ルビーの手話を交えた歌も、最高だった。
手話が第一言語のルビーだからこそ、できることで、あー、あー、ルビー、本当に自分の人生を生きて欲しい。

中抜きばかりされていた仲買業者から離脱して漁業組合を立ち上げて、最初はルビーに頼りきりだったけれど、周りの人たちも少しずつ手話を覚えていて、両親も兄もめっちゃ楽しそうで安心した。
V先生が有能すぎるのよ。
ルビーの気持ちを解放したのは、聞き上手なんだろうな。

母があまりにも毒親で、でもその理由が、自分が聴者の母とうまくやれなかったからって過去が知れたのはよかったけれど、見ていてきつかったなー……。
ルビーはあなたの通訳のために生まれた訳じゃないのよ。
だからこそわざと突き放すお兄ちゃんの優しさもしんどかった。

ラストのお父さんの優しい声の「いってらっしゃい」ボロクソに泣いたーーーーー!!!!!!!!!!!!!
想像以上に素晴らしい映画でした。

主人公のルビー以外全員がろう者という家族でありながら、手話で冗談を言い合い、いつもユーモアたっぷりの陽気なお父さんとお母さん。想像してた物語と違ってこの家族に悲観的な印象はなく、愛に溢れた仲の良さが前半で感じ取れる。

ろう者の家族を支えると言うよりは、ルビーにとっては手話で通訳をすることも、学生ながら一緒に漁に出て働くことも、きっと小さい頃からとても当たり前のことだったんじゃないだろか。そんな中で、歌うことの楽しさを実感し音大に入学する目標が出来て初めて自分の為に生きる事を意識していく。

差別というのは、こういう状況だから可哀想に違いないという周りの勝手な思い込みが生んでいるもので、当事者の思いとは別のところにある事を、この映画を観て強く感じた。

ルビーが、歌が聞こえない家族に歌詞の内容が伝わるように手話をしながら歌うオーディションの場面では、涙が止まらなかった。なんて温かい家族なんだろう。ジョニ・ミッチェルの曲もピッタリ過ぎる。

※それと合唱部の顧問の先生が途中から宮本亜門さんに見えてしょうがなかったです
(違いのわかる男)
Anko

Ankoの感想・評価

4.5
音が聞こえなくなるシーン、’そっち側’を全然知らなかったって事を実感した
太郎

太郎の感想・評価

-
2023/03/12 amazon ¥18
2022/07/23 amazon ¥84
2022/05/01@kino cinema #12
2022/03/30@TOHO立川 #9
2022/03/19@TOHO立川 #7
#アカデミー作品賞
#たまむすび
#アトロク
前半の毒親っぷりが払拭しきれず泣けなかった、、、けどオーディションのシーンはよかった(絶対手話で歌うなぁ、って予想してしまってたのは良くなかった)

観てよかった映画ではあった。
楽しみにしてた作品、映画館上映時は予定が合わず見に行けなかったのでアマプラで見ました。良かった〜!!
tachiichi

tachiichiの感想・評価

4.7
ありがとうV先生、オーディションで歌ったあの曲は、合唱してもよさそう。
Natto

Nattoの感想・評価

3.7
自分の夢ためにか、家族のために人生を捧げるか。
考えさせられる映画でした。

お父さんがルビーの歌ってる喉に手を当てて音楽を感じてるシーンは泣いちゃった。

V先生がほんとに良い先生でよかった🥲
学校の先生がみんなこういう人だったらいいのに。
yoshy

yoshyの感想・評価

3.8
フランス映画のリメイクだそうで🇫🇷そっちでもう一度見てみたいかな、そして実話だそうです😊主人公含めて女性陣パワフルです
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