竹野康治郎

コーダ あいのうたの竹野康治郎のレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.0
昨年の米アカデミー賞に数多くノミネートされた作品です。耳が聞こえない一家に、唯一耳が聞こえる少女ルビーが歌うことを夢みて、自分が進む道、家族の進む道を描いていきます。ストーリーの展開も、内容も、そしてテンポも、すべてが気持ちよく、観ている人に届くように作られています。2022年を象徴する1作品かと思います。

とにかく、少女ルビーをはじめとする家族のキャラクターが抜群です。耳が聞こえない中でも、家族の生きる力が半端なく、こちらが元気もらうほどです。その中で、自分らしい生き方をしている家族となにか家族を支えることに慣れている少女ルビーの生き方が徐々に交差していきます。ここの脚本が抜群で非常に心に響きます。

この物語は耳が聞こえないことが不幸せの理由になっていない。それぞれ(聞こえる世界でも、聞こえないの世界でも、それぞれの不満や不安などがあって、でもそれが平等に描かれていることが、いい。家族を中心に個性も力強くあり、人間の本当の強さを感じられます。非常にポジティブで生きる力を与えてくれる作品です。

2022年公開作品  57本目
竹野康治郎

竹野康治郎