田辺・弁慶映画祭セレクション2021(at テアトル新宿)の映画『いる』。
監督がコメントで「見てもらわないと始まらない。見てほしいです。」とおっしゃってまして、
確かにこの映画は特に見ないとどうしようもない。
あらすじやネタバレを読んでもこの良さは伝わらないと思いますね。
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同セレクションの『愛のくだらない』もそうでしたが、
自分がいかにクソか、クソだったかを周りの目を通して気づいていく話かと。
主人公は本当に嫌なやつ。
嫌なやつっていうかダメなやつ。
おそらく自分の人生がうまくいっていないことを周りのせいにして
負のエネルギーを撒き散らしながら生きている。
自分の人生で何も起こせていないから
せめて負パワーで負の事象を引き起こして、何かがあったかのような気になっていたい。
(何にもないんだけど。嫌なことしか起きてないんだけど。何もないよりいい。)
犯罪者一歩手前の状態ですね。。。。
でも、わからなくはない。。
こうなっちゃうのもわかんなくないっていうか、何回もやっちゃっていたと思う。。。
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映画の作りとしてはホラーの手法を取っていますね。
一向に電気(照明)付けないし。
ホラー映画の人物ってホント電気つけないですよね。
これがどうも苦手で。。
怖いなら電気つけてくれよと思うんですが、ホラーですからね。
表現主義でもあるのかもしれないですね。
ほんとはあの部屋は明るいのかもしれない。
でも主人公の心情として暗いのかも。
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「ある夜、家に帰ったら鍵が空いていた」
めっちゃ怖いですよ。
あのアパートもなんかもう怖いし。
よく起こりそうなことだけど、鍵閉め忘れたのかも知れないし、
誰かが侵入したのか、今も部屋の中にいるのか。
俺を恨んでいる奴は誰だろう。
思い当たる奴がいっぱいいすぎて絞れない。。
↑これはちょっとコメディっぽいですよね。
という話。
今まで自分がやってきたクソ行動のブーメランとして、日々恐々として生きなければいけなくなってしまった。
そのジワジワとした恐怖が面白かったです。
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荒唐無稽な話でもないですよね。
自分がクソだったら自分の人生もクソになっていってそのクソ人生に恐れ慄き怯えながら生きることになりますよね。。
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併映された撮り下ろし新作『みない』も面白かったです。
映像も格段にレベルアップして、妻役の加藤紗希の演技も本当に素晴らしくて。