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隔たる世界の2人のttmのレビュー・感想・評価

隔たる世界の2人(2020年製作の映画)
3.5
あの手この手でループに戻されてるうちに、素直に荷物検査に応じれば解決したとかそういうことじゃないなと気づく。

ニュースを見るたびに、自分もいつ殺されるかわからない、朝起きた時に主人公と似たような気持ちになって、悲しいけど現実にタイムループのような日々を送ってる人もいるのかもと想像できた。これは日本に住んでる日本人にはさすがに覚えのない感情だと思う。

人種に関係なくコンプレックスもいじめもある。だからといってそのストレスを無抵抗の誰かに押し付けていいわけがない。人種の壁がなくても対立する人たちがいる世界の中で平和がどこにあるのか、途方もない難しい話だけど、主人公が徹底的に暴力には屈することはなかった。それこそが抑圧されてきた過去に積み上げてきた叡智と思えるラストシーンだった。
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