MURANO

隔たる世界の2人のMURANOのレビュー・感想・評価

隔たる世界の2人(2020年製作の映画)
4.1
アカデミー賞短編映画賞を獲った30分の作品だが、短い上映時間に娯楽性も社会性も詰まってる秀作。短編だし、すぐ観てほしいです!

ジョージ・フロイド事件ほか、白人警官による黒人の殺害という事件がアメリカで多く起きているが、Black Lives Matterをなんと「タイムループ」として描くことにまずビックリ!

黒人の主人公が「息が出来ない!」と白人警官に殺されると、また同じ朝にベッドでハッと目覚める。

おいおい、『ハッピー・デス・デイ』かよと(笑) これは一歩間違えると不謹慎とも捉えられる危険性も秘めてますよね。

でも、タイムループで同じ結果が繰り返されるということに、現実として同じ悲劇が何度も何度も何度も繰り返されていることを重ねているわけです。

娯楽性に社会性をうまく組み込んでる。

タイムループとなると、果たしてどのようにループから抜け出すのか。その答えにもすごく深みを感じさせ、上手に締め括っていました。

30分で何度もループするゆえ展開はすごくスピーディ。だけど、ワンアイデアでは終わってない広がりが30分間にあったと思います。

普段、短編映画は観ていないけど、これはスルーしないで良かった!
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