hato

シン・仮面ライダーのhatoのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
4.2
平成・令和ライダーは少し詳しいですが、昭和ライダーは全く。庵野秀明セレクション、『真の安らぎはこの世になく』は見た状態での鑑賞。

昭和版の荒唐無稽さは保ったまま、シリアス要素を強く押し出すという作風。それらが少し噛み合ってない部分はあったけど、基本的には上手く溶け合っていて、新たな魅力に昇華されていたと思う。

昭和版の程よくチープな感じを今の時代に再現しようとすると、インディーズ映画のような雑味のするタイプのチープさになってしまうのか?それとも単に予算がなかっただけ?少し残念だった。

アクション場面のCG量とカメラワークは好みじゃなかった~。初戦みたいなちょうど良い塩梅のがずっと続けば最高だったなぁ。
他のライダー作品と差別化を図ったのかもしれないけど、ギーツとかテレビ作品のアクションの方が好きだ。

でもアツい場面はめっちゃ楽しめた。ヒーロー作品ならそれができれば満足という節はある。
特に柄本佑が出てからはアツいの連続。庵野作品のキャラとは思えないくらいに、気持ちの良い性格してて最高だった。去年のベストキャラがラーマ(もしくは芹澤朋也)なら、今年は一文字隼人だ!


追記(2023/3/25)

二回目の鑑賞。改めて見ると、
キャラクター:◎
脚本    :○
戦略    :△
アクション :✕ という感じ?

二回目にして、キャラクターの心情の変化や、細かい設定がやっと理解できた。面白いわこれ(二回目でやっとわかるのはどうなんだとも思うが)。

一回目は一文字の良さに釘付けになり、アツさを存分に味わった。二回目では本郷、ルリ子、ハチオーグ、いやもうほぼ全キャラ好きになって、アツさよりもじんわりとした心地よさが残った。
戦いを好まない優しいキャラはよく見るけど、今作の本郷は本当に優しい。その性格からの行動が、最後の最後までいきてくる。あのラストは、見方によっては少し気味悪いし、便利な設定で無理やり捩じ込んだ感がすごいが、とても爽やかな気分になった。
仮面ライダーの力というより、本郷猛の優しさで進んでいく話だったな。

いやマジで、アクションで感情をさらに乗せられたら本当に完璧だった。戦闘・戦略の流れも、もっと良い見せ方は絶対にあったはず。
でもなぜかこの作品は嫌いになれない。というか好きになることにした!これで心すっきりだ。
hato

hato