アンナチュラルないながきつかさ

シン・仮面ライダーのアンナチュラルないながきつかさのネタバレレビュー・内容・結末

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

待望のSJHU最終作。

シン・仮面ライダー

楽しみで楽しみで仕事を早退
前のめりで最速上映を観覧した。


期待以上に楽しかった。
悲しい点はあれど、自分の好きポイントが悉く突かれてエンドロールで撃沈していた。


キカイダー、ロボット刑事K、イナズマンなど、他の石ノ森作品の組み込み方。
政府の男や情報機関の男など他シンシリーズからのサプライズカメオ出演。
庵野監督の病気と言わんばかりの設定やディテールの細かさ。
知っている人、好きな人にとってはアガるところだったに違いない。

個人的に感動した点は
当時テレビ版だと本郷は見た目が人間のままであり、変身と変身解除ができるが、怪人は体全てが合成された植物や昆虫、生物の見た目になってしまっている。
それに対して今作では、本郷も他オーグも人間体から顔に紋様が浮き出り、皆同じようにマスクを装着する。本郷も他オーグと同じ様に改造人間なのだ、洗脳がされなかっただけで同じ存在という事がビジュアルだけで分かる作りだった点である。子どもながらに同じ存在には見えてなかったため、そのフラストレーションが解消され、他オーグのカッコ良さは勿論、同族の中での孤立と反逆もより分かりやすく馴染んで観ることができた。


ただ、ストーリー展開のために主要人物が退場していくのはいつ観ても気持ち良くはない。
テレビ版では異なるため心の準備が出来ていなかったことも相まってダメージが大きかった。
漫画版を踏襲する辺りがまさに庵野監督と言わざるを得ない。

気になる点でいうと以下の点がある。
・チョウオーグ/0号のスタミナ切れは早過ぎないか?ライダーとは違いそもそもプラーナを体内に蓄えることができない?もっと強くても良かった。
・ショッカーの元へ侵入するのってそんなに楽なの?ショッカー構成員のルリ子がいたとしても逃走してる身分のためもっと警戒されるべきでは?
・人工知能アイが導き出した究極の幸福、最も深い絶望を抱えた人間を救済するショッカーの行動が人体改造なのはなぜか。命の延長、力の増大、個々の欲望の実現が救済ということなのか。


ともあれ、最後の新1号ライダーの登場が心を貫いて離れない。
本郷と一心同体となった一文字が新サイクロンと共にこれから更なる戦いに身を投じて行く。
ピカピカになったライトグリーンのマスクには、KAMEN RIDER 2+1の文字、もうエヴァじゃん。(最高)
マスクを介して本郷と会話をするシーンはまるでアイアンマンのジャービスの様でもあり、二人の絶妙なやり取りを含めて今後の活躍が観れないことに早くもロスを覚えてしまう。


MCUに比べるとやはり規模感やアクションが劣ってしまうが、それだけでは廃れない日本のヒーローの格好良さを全面に押し出していきたい。

SJHUはこれにて区切りを迎えてしまった訳だが、これが終わりではないはずなので、
是非とも今後の展開も期待したい。

(シン・ウルトラマンが3部作であればシン・仮面ライダーも続編を是非....)