このレビューはネタバレを含みます
自分の命を投げ打って人の思いに応える。
ヒーローだ。
浜辺美波が可愛い。抱き締めたくなるものがある。真っ直ぐ前を見るクローズアップが多用されているからか。元々の目の綺麗さあってこその青く発光する目だw
切ない人生は綾波レイを想起させる。徐々に人間らしさを獲得していく点も酷似している。気の強さはアスカか。
そして同時に守ってあげたくなるキャラクターでもある。
とはいえ普通の男なら手を出してもおかしくないところ。しかしコミュ障の本郷はプラトニックな関係を維持する。自分たちの関係は恋愛ではなく信頼だ、と。そこにはコミュ障の原因となった過去の出来事が関係している。何もしないでねと言われて「大丈夫だ。安心してくれ」とあのトーンで言える格好良さ。あのトーンで言われたら安心できそう。そう言っておいて我慢できなくなるのが凡庸な男。
闇を抱えた男はヒーローとなる資質を持っている。多くの場合同じように闇を抱えたもう一人の男が登場し、そのトラウマの克服法の違いによって正義と悪に道を違え、対決することになる。
庵野監督の映画は見る度に背景の重要さに気付かされる。格好良いのは元より、ルリ子の死に涙する場面など人物の心情に寄り添った背景がしっかり組み込まれている。
特撮やCGを使ったアクションシーンなどはその種のファンに配慮しつつ、大事なところでやはりロケの利点を最大限に活かしてくる。この辺りが単なるヲタク好き映画にせずヒットさせるポイントだろう。さすがである。
さらに彼の得意とする口癖台詞もファンを楽しませてくれる。
「私はいつも用意周到なの」
死に際にも言われるのでかなり印象に残る。
他にも何個かあるが、忘れっぽい自分が正確に覚えていられたのはこの台詞くらいだった。
庵野ファンは間違いなく楽しめるでしょう。浜辺美波ファンならますます好きになれます。