ゴン吉

シン・仮面ライダーのゴン吉のレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
4.0
昭和時代にテレビ放映された特撮ヒーロー作品「仮面ライダー」を新たな解釈で映画化したヒーローアクションドラマ。

池松壮亮、 柄本佑、長澤まさみらが共演、浜辺美波がヒロインを演じる。 
原作は石ノ森章太郎のコミック。庵野秀明が脚本・監督を務める。  

本郷猛(池松壮亮)は謎の組織に改造人間にされるが、組織を裏切った緑川ルリ子(浜辺美波)に助けられてバイクで逃走する。クモの改造人間クモオーグと戦闘員たちが追って来たため、本郷はバッタの改造人間に変身して戦闘員らを惨殺し、何とかセーフハウスに辿り着く。そこにルリ子の父であり、本郷を改造人間にした緑川弘博士が現れ、謎の組織ショッカーのことを説明するが、クモオーグに再び襲撃され、緑川博士は殺されてしまう。本郷は再び改造人間に変身して”仮面ライダー”と名乗り、クモオーグと対決するが.....  

子供向けのヒーローである仮面ライダーを、オリジナルのイメージを壊さずに現代風に大人向けにアレンジした作品。
オリジナル作品へのオマージュが感じられるものの、オリジナルでは派手な変身ポーズや必殺技のライダ―キックなどの決めのシーンが、本作では控えめでワクワク感が得られない。
また敵の幹部であるクモオーグ、コウモリオーグ、サソリオーグ、ハチオーグ、カマキリカメレオンオーグ、チョウオーグなどの様々な改造人間が登場して楽しめるが、警察官たちが簡単に幹部のオーグを倒してしまうので、仮面ライダーの存在意義が感じられない。
昭和のオリジナル作品同様に沢山のライダーも登場するが、オリジナルでは個々のライダーがそれぞれ違う色のマフラーをつけていてカラフルで楽しませてくれたが、本作ではそのような工夫も無く、雑魚扱いで盛り上がらない。
さらに残虐でグロイシーンがあるためPG12に指定されているが、ホラー作品でもないので、あえて年齢制限までして、そのような描写をしたことにも疑問が残る。
もう少し脚本や演出に工夫が欲しかった。
サプライズもなく特撮ヒーロー作品の平凡な焼き直しで終わったのが残念です。
一方で原作が同じ石ノ森章太郎の昭和の特撮ヒーロー作品「ロボット刑事K」をモチーフにしたキャラが登場するなど遊び心が嬉しい。
オリジナルを知っている人には懐かしいオマージュが沢山あり、それなりに楽しめる作品です。
「俺たちはもう一人じゃない!」
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