うちだ

スチレンの唄のうちだのネタバレレビュー・内容・結末

スチレンの唄(1958年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

「去年マリエンバートで」のBlu-rayに入ってた短編二つ目
いやもうこの監督一生こういうドキュメンタリー撮っとけば良かったんじゃないかな。

世界のすべての記憶では白黒だったのがこちらはカラー作品。プラスチック工場のドキュメンタリー。プラスチックの礼賛具合はほとんどプロパガンダに近い。この時代はプラスチックによる環境問題もなくて、完全無欠な未来のマテリアルみたいに映ったんだろうな。相変わらず編集やカメラワークは秀逸。

プラスチックが型や真空?によって形を形成するところ、そもそもプラスチックがどこからくるのかっていうのを記録するって意図だけど、そのプラスチックや工場のデザインがめちゃくちゃカラフルで、それだけでもうアートとして確立されてた。工場の内装や外装の近未来感、機械が動いてるときのワクワク感は堪らない。ドキュメンタリーって事実を淡々と並べてるだけのものだって思ってたけど、エイゼンシュテインの「古きものと新しきもの」やこれなんかを観ると、芸術にもプロパガンダにもなれるんだなあって思った。

他のドキュメンタリー映画やこの監督の「夜と霧」も観たくなってきた。
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