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東京自転車節のkurageのレビュー・感想・評価

東京自転車節(2021年製作の映画)
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コロナ禍で無職になった男が、Uber Eatsで一稼ぎしようと住んでいた山梨から東京へと自転車で出る。映画大学出身の監督による、自身のドキュメンタリー。
最初はひよったか細い声を出していた監督だったが、雨に打たれ、風俗に振られ、宿なしとなり、おまけに奨学金の催促までやってきて、これ以上はないくらいのどん底を経験することにより、顔つきが変わり(中村獅童似)、怒りを自身のエネルギーに変えてたくましく成長する。自分を丸ごと投げ出した結果、この作品を生みだせたのは本当に良かった。
オシャレではないけど、センスを感じる構成。サブカル好きで色々と見えているんだろう監督の頭の動きに実際の身体性が伴って、とても説得力のある作品として伝わってきた。これは老いも若きもなく、自分ごとだと思った。次の作品も楽しみにしています。
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