けーすけ109

そして、バトンは渡されたのけーすけ109のレビュー・感想・評価

そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)
5.0
只のないものねだりに見えるかもしれない
親の悪戯に見えるかもしれない
それでもバトンは繋がっていく
意思とは無関係にバトンは繋がっていく


物語は2人の視点を中心に描かれる
優子(永野芽郁)は高校生
育ての親である森宮さん(田中圭)と暮らす
何事にも笑って濁す癖があり
それをよく思っていない同性もいる
流れで卒業式のピアノの伴奏を務める事になる


梨花(石原さとみ)は恋多き女性
シングルで妻と生き別れていた
水戸さん(大森南朋)の
大きな夢を持つ後ろ姿に惹かれて
最初の結婚をする事になる


その結婚生活に転機が訪れた時
水戸さんの連れ子のみぃたんと一緒に家を出る
それから2回目の結婚をする
金銭面を全面的に支えてくれる
泉ヶ原さん(市村正親)に出会う


相交ぬ2人のストーリーが交差する時
新しいページが開かれる
でもそれはきっかけであり
導入でありプロローグでしかない


時間を紡いできた出会いと別れ
それは全てが愛おしく意味のあるもの
衝撃は強く記憶に残り
その記憶は無くなることはない


優しさとは何か考えてみる
立場の違いから変わる
優しさとは何か考えてみる
愛を持って接するが故に相反する
感情が表立ってしまう苛立ちと怯え


物語がエピローグを迎えようとしていた時
とても温かな優しい感情が溢れていた
けーすけ109

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