せいけ

そして、バトンは渡されたのせいけのレビュー・感想・評価

そして、バトンは渡された(2021年製作の映画)
1.0
飽くまでも個人的意見ですが、僕はどうしてもこれをいい映画だとは思えません
原作は好きで、予告の時点で違和感はあったけれどもそれにしても出来が悪かった
どうしても観客を泣かせることに力点を置いたような展開、演出に作品ではなく商品になってしまったなと残念に感じる
衣装や美術などオシャレに見えるルックも人物描写に厚みがないからパーソナルな部分と結びついてこない表面的なオシャレっぽさでしかない
つっこむのも野暮かもしれないけれど、ちゃっちゃとただ展開をなぞるだけのご都合主義に辟易とする
梨花さんの振る舞いは真意を明かされたとしても本当に子供を思っての振る舞いに見えるのか
子供時代のみいたんも精神年齢の置き所がチグハグに見える
環境に振り回されすぎて、悲観的な性格なのか、妙にしっかりした子なのか、ただただ楽観的なのかここのバランスがいまいちよくとれていないように思えてしまう
世評的には一番の評価ポイントである泣けるということについても個人的には好意的には受け取れない
子供を泣かせる、ある事情を抱えた人に諸々全てをただ語らせて実はこうでしたという展開、暴力的なまでにどんどん大袈裟に音量が上がっていくオーケストラの音楽、ある有名曲の使い方どれをとっても泣かせることの方法論に終始しただけに過ぎず、映画の演出として見ると極めて下品だと感じざるを得ない
原作と映画は別物だと重々承知しているつもりだし改変が上手くいっている作品もたくさんあることは知っている
製作陣は原作の何に魅力を感じたのか
個人的な原作の魅力と製作陣の感覚に大幅なギャップを感じて残念