原作:瀬尾まいこさん「そして、バトンは渡された」の映画化になります。2年前の本屋大賞に選ばれた作品であり、私は原作も読みました。
率直な印象だと原作とは大きくアレンジしています。構成が違います。
それは1冊という本を通して感じられること、2時間という映画の中で何を伝えたいのか、という手法の違いなのかなって思いました。
個人的には原作の方が好きです。
前半の展開が完全に後半の展開への伏線になっていて、前半のテンポ感がゆっくりがゆえに後半の畳み掛けは見事だったなと思います。だからこそ個人的には前半の印象的なシーンをあえて後半でフラッシュバックさせることが「泣かせにきている」と感じてしまいました。
というのも小説では最後のメッセージを言語化していないので、言わない美学的なスタンスを映画でも踏襲してほしかったです。これは原作を読んでいるからこその意見になるので、感想が大きく別れると思います。
なので、映画を見た方には是非とも原作も読んで欲しいです。森宮さんも梨花さんも、そして優子ちゃんもここまでキャラクターが強くないことが逆にいい作用になっているかと思います。両方を楽しめるのも醍醐味なので、順番はどちらからでも大丈夫です。
2021年公開作品 48作目