なすび

三人の女のなすびのレビュー・感想・評価

三人の女(1977年製作の映画)
5.0
エッ……………………この映画意外と見てる人少ないんですね…自分も2年前から行ってるゲオにこれがあったことにいきなり気付きました(今までずっとひっそりといたんだなと考えるとめちゃクチャ怖い)と…ジャケ写から好みだしなんでずっと借りる機会が来なかったんだろう…って不思議なくらい自分のタイプてか絶妙なツボの映画でした……これは最高ですよ……(テンション低めに見えるかもだけど映画の雰囲気の影響でこんな感じに少しヒソヒソ話したくなります…)人におすすめしたいけど結構ヤバイくらい好きだから独り占めしてたい気持ちもある……アルトマンの「三人の女」とはそんなちょっとアブナイ映画であります……

オススメ映画聞かれたら今度からこれ答えてみよう、みんな見てどんな感想くれるかたのしみ

この映画の好きなところはとにかくヤバイところです。全体にわたって何かがオカシイ、ずれてる、でもそれがすべて絶妙なパンチラインであり脳の普段使わないところを刺激してくる感覚がクセになるわけだし好きな人には快感でしかない。この映画でも特別なことは起きないし着ている服や家具などやたらガーリーでふわふわしてて一枚絹を纏ったような画面の質感があるからストレートに変な映画には見えないんやけど、そこもまた奇妙でやけに現実味なくてなんちゅーかマカロンの見た目した珍味みたいな感じ(?)

それもそのはず、映画界の珍味女優(失礼いたしました)「キャリー」のシシースペイセクと「シャイニング」のシェリーデュヴァルが主役です。この2人が同じ画面上にいる時点で私の脳は甘噛みされてる状態ですよ笑 それぞれ1人でも見ててヤバさがダダ漏れなのに一気に2人…しかも2人とも極めて変な女の役だったー…
シェリーデュヴァル演じるミリーは最初はすごくおしゃべりが好きな気さくな人なのかなと思っていたが段々と何かおかしいことに気付く、この人の話誰も聞いてない…(めちゃめちゃホラーやん…)しかもミリー自身はそれに気付いていない…!好きな時に好きな人に好きなだけ喋りかける、特に返事も求めていないみたい。周りの人から「浮世離れしたイタイ子」みたいに思われてるぽいんだけど、傷ついてるのか気付いてないのかそこもまた気にせず生きている。服や家具や車はほとんど黄色中心のこだわりの強さ。
シシースペイセク演じるピンキーはなんとそんなミリーにほとんど一目惚れをして思慕の念(女同士の強いあこがれ的な)を寄せている、最初は半ストーカーでルームシェアを勝ち取り鼻の穴を膨らませミリーと暮らし始める。いやシシースペイセクの顔芸と動きの気持ちわるさ半端な!!!なんやこの人間(?)こわい、単純に予測不能な動きしてきてこわすぎる…なにこの子…って感じだった。みんなも見てよ…シシースペイセクやっぱ敵に回したら一番こわいっス。純情そうな見かけして中身オッサンみたいな声出してくるし、かと思えば赤ちゃんみたいにドジするし…かと思えばいきなりキャラ変わるし…もうついていけへん、こわすぎるほんまに……

三人の女、ということで三人目の女もまた変な立ち位置でした。あの人は一体なにを考えていたんやろう…あの絵も気持ち悪すぎる……こわすぎる…

なんかロバートアルトマン1本の映画に詰めてくる情報量が尋常じゃないし撮り方も変だし話も変だしなんかもうすごいなこの人……自分の中でこの映画カルト映画認定です。心の中の普段あまり使わないところにずっと大事にしまっとこう…

そう、もう最初のカットから変で引き込まれましたよね……あと双子はなんだったんだ……あとなんでピンキーは赤毛って呼ばれてたんだ…あと三人目の女の夫はなんなんや…あと最後のシーンはどういうことなんや……謎が多すぎるわ……


「三人の女」星5億個です⭐️
(今日は個人的に今年一落ち込む事件があったので自分はもう人間やめて星になりたいです)
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