芽

劇場版 Free!-the Final Stroke- 後編の芽のレビュー・感想・評価

4.7
素敵だ。

水の中なんて窮屈でしかなかったから、ずっと水の中にいたいと思えることが羨ましかった。
自分のため、自分だけで、自分との戦いだってこの映画でずっとずっと突きつけられる。それは事実で、共に泳ぐ全員がライバル。けど、唯一チームとして、仲間と一緒に戦えるのがリレー。感じ方も、泳ぐ気持ちも、何もかもが違ってしまう。そう考えるとリレーなんか出たくない。遥の気持ちを常に肯定していた自分がいた。
でも個人競技だと言われるスポーツで唯一1人じゃない種目があることも水泳の素敵なところなんだ。それぞれが頑張ってきた、結果を残してきた、その実力者全員を1つの種目で見ることができる贅沢な競技はこれしかないのだ。
競泳はスポーツの中でも何分、何秒というとても短い時間で、あっけなく勝敗が決まってしまう。鍛錬もこの一瞬でしか発揮することができない儚い競技だ。
そして、自分と戦ってきた人ほど強い人っていない、常に自分がライバルだと厳しくしてきた人ほど強い人はいない。それがこの一瞬で証明される。

水泳の素晴らしさも、大変さも、答えは全てこの作品の中に描かれている。
私はやっぱり競泳が大好きだ。
芽