TakeshiKaneko

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)のTakeshiKanekoのレビュー・感想・評価

4.0
あのウッドストックが開催された1969年の夏、もうひとつの歴史的音楽フェス「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」が開催された。
スティービー・ワンダー、B・B・キングらが出演した「黒いウッドストック」との異名も持つ幻の音楽文化フェスのドキュメンタリー。
なんとそのフィルムは50年封印されていたそう。

アメリカにとって、黒人にとって激動の60年代。1963年ケネディ大統領暗殺、65年にはマルコムXが、68年にはキング牧師が暗殺され、その翌日に100以上の都市で黒人の暴動が発生した。

そんな中行われた黒人ミュージシャンによる音楽フェス。

ある人は「コンサートは、アスファルトを突き破って咲いたバラのようだった」、
別の人は「私たちには音楽が必要だった」と。
のべ30万人以上を動員したフェスは大勢の観客が熱狂しミュージシャンたちも素晴らしい。みんな楽しんでいた。

でも、
自分はわかっていないと思う。
当時のアメリカにおける黒人たちの状況も文化も実感できない。国や時代が違うから当然だ。
それは『デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング』を観たときにも感じたことだけど。

だから、想像力をもって楽しむ、そして時代を知る。そんなことを含めて、充分堪能できる映画です。
TakeshiKaneko

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