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サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)のttmのレビュー・感想・評価

3.7
1969年がどんな年だったのか、ある視点からの数年の歴史の流れがぎゅっとまとまっててそれだけでもみた価値が十分にあった。
観客やアーティスト、スタッフや記者、実際に現場にいた人たちが、貴重な証人として、同等に価値のあるエピソードを披露している。とくに観客の話す様子は50年以上前にタイムスリップしたかのように生き生きとしている。スライが歌っていたように、上も下もない。
ライブシーンは迫力があって、撮影にも相当な力を入れていていたことがうかがえる。
少なくともモータウンがすでに売れ線だったのなら、この映像が世の中に出ていてもおかしくないのでは、と思ったけど、黒人女性が大学に入学しただけで大騒ぎになる世の中ではやはり受け皿を探すことが困難であったことも想像できた。お行儀の良いアーティストだけがもてはやされていたとして、本人たちもメディアに対して複雑な思いの中で活路を見出し努力していたのだろうなあと思った。
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