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サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)のyukacafeのレビュー・感想・評価

4.2
50年間埋もれていた音楽フェスティバルの映像を観られるだけでも、十分価値のある作品。アーティストのメッセージと、当時の社会情勢をリンクさせる手法が見事で、ライブパフォーマンスの熱狂がダイレクトに伝わってくる。

様々な作品を通じて、ある程度は黒人文化の歴史を理解しているつもりでいたが、ハーレムの貧困やドラッグの蔓延、月面着陸のエピソードを観て、黒人社会のリアルを初めて体感できた気がした。アーティストやスタッフだけでなく、観客の目線で語られるのも新鮮で、特にニーナ・シモンの歌が支えになっていたというニューヨーク・タイムズにいた女性のエピソードが秀逸。

個人的には、子供の頃にドラムで習ったウォーターメロン・マンが演奏されていたのも嬉しい驚きだった。田舎の小学生すら魅了するかっこよさがこのフェスに繋がっていたのだと考えると、やはり音楽の持つ力はとてつもなく大きい。
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