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ベネデッタのwtnbmghのレビュー・感想・評価

ベネデッタ(2021年製作の映画)
4.8
修道院もの(ナンスプロイテーションと言うらしい)というか神に仕えるものが揺さぶられる、というような筋の映画に弱いので(ベルイマンとか)観に行った。
もちろん神学的なテーマや信仰や奇跡についての作品ではあったのだが、それ以上に映画という神の視点について考えさせられた。現代人の鑑賞者が第三者的にみることでベネデッタのラストの「私は炎には焼かれない」「神に守られている」という言葉は時代によって正義の価値観は移り変わり後の世になって認められることもあるというメッセージに聞こえ、私たちにとっては「同性愛で人は罪に裁かれない」「いつか理解される時が来る」というふうに伝わる台詞になっているように思えた。
ベネデッタのみる幻覚と現実に起こったことが編集によってフラットに均され、幻覚かどうか、詐称しているかどうかが最後まで答えを出されず、徹底して第三者的で公平な視点で描かれていたことに冷徹なる神の視点を感じた。

美しいヒダを描いて揺れる修道女達の衣装や美術もすごくよかった。
処刑台に連れて行かれるベネデッタとバルトロメアが視線を交わすシーンはモンスターのシャーリーズ・セロンとクリスティーナ・リッチを彷彿とさせた。
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