樺太柳葉魚

囚人ディリの樺太柳葉魚のレビュー・感想・評価

囚人ディリ(2019年製作の映画)
4.8
ディリは妊娠中の奥さんを暴漢に連れ去られそうになり、逆上して撲殺。終身刑となり、服役中に奥さんは出産、そして理由は語られていないけど亡くなる。生まれた娘は孤児院へ。10年後、減刑となり、出所したディリは髭が怪しいと警官に言われ、足止めされるのでした。インドで髭が怪しいってなんぞや?怪しい人しかおらんやないかい!と関西弁もどきでツッコミを入れたくなるのでした。その一方、警官がギャング団から麻薬を横取り。それで金儲けを企むのです。悪徳警官。麻薬を取り返そうとするギャング団、事情を知らされないまま警察署に立て籠る新米警官と大学生達。そして鎮静剤を混入した酒を飲まされ昏倒する警官達。ディリはトラックの運転ができるので、警官達の搬送を頼まれるのです。早く娘に会いに行きたいディリ。昏倒している警官達は、髭が怪しいと意味不明な理由でディリを勾留した連中。助ける義理は無いと拒否するのですが、特殊部隊のビジャイ隊長が娘の為の部屋やら学校やらを用意してやると請け負ったので、ようやく承知。トラックの持ち主カーマッチも同行し、病院へ向かうのでした。お喋りでうるさいカーマッチと任務優先のビジャイと無口なディリ。追いかけてきたギャング団と力を合わせて戦ううちに、まあまあ友情らしきものが芽生えてくるのです。全編ハードボイルド。警察署に留置されている容疑者の中にギャング団のボスがいる為、ボスと麻薬奪還を狙うアンブに襲われる新米警官と大学生達。そして迎えに来る人が気になって眠れないディリの娘ラムダ。3つのストーリーが同時進行。ディリも大学生達も無関係だったのに、容赦ない暴力に巻き込まれ、なんて理不尽なんだ。娘の幸せの為に奮闘するディリが渋くて素敵。
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