最近観た映画の中ではダントツで良かった。
主演の子の存在感。もうこの子を見つけた時点で勝ちというか、それぐらい映画がこの子のものになっていた。映画の作りも往年のベテラン監督のような安定感があり、まだ若いのに凄い監督が出てきたなと感心。
童心・無垢という言い方をすれば聞こえはいいが、ただただ悲しい・やるせない内容でもあり、結末も含めてどう受け止めるべきか悩ましいところではある。何も悪いことなんてしていないつもりのあみ子が、男子生徒に「ある事」について尋ねる場面は、こんなに切ない別れ方ある？ってくらい思い出すだけで泣けてくる。この映画で一番良かったシーン。
一人また一人と応えてくれる人がいなくなっていく。これはあみ子だけでなく、人間誰だってそういうものである。中盤描かれるオバケのシーンと、そこからのラストへの繋ぎ、そして主題歌は原作には無いもの。その意味を考えると、この映画ならではの優しさに溢れた視点というものを感じとることができた。
